海外ジャーナルクラブ
2年前
Kunzらは、 進行性膵神経内分泌腫瘍 (NET) 患者を対象に、 テモゾロミド単独またはテモゾロミド+カペシタビン併用療法の効果を多施設共同第II相ランダム化比較試験で検討。 その結果、 テモゾロミド+カペシタビン併用療法はテモゾロミド単独に比べて有意に無増悪生存期間 (PFS) を改善した。 本研究はJ Clin Oncol誌に発表された。
カペシタビンのadd onでの有意差を証明した研究成果です。 何気ない感じがしますが、 このN数でしかもadd onという形で有意差を示しているのは十分な効果と言えると思います。 最終解析によるOSで有意差がないことの説明は考察に記載されていますので、 本文をご確認ください。
進行性膵NET患者に対する客観的な反応を示す治療選択肢は限られており、 カペシタビン+テモゾロミド併用療法が高い奏効率 (RR) と長いPFSと関連していることが、 後ろ向きおよび小規模な前向き研究で示唆されている。
進行した低悪性度または中等度の膵NET患者
患者を以下の群に1:1の割合でランダムに割り付け
PFS
全生存期間 (OS)、 RR、 安全性、 免疫組織化学およびプロモーターメチル化によるメチルグアニンメチルトランスフェラーゼ (MGMT)
主要評価項目に関する帰無仮説を棄却するに十分であった。
MGMT欠損は奏効との関連が認められた。
進行した膵NET患者において、 テモゾロミド+カペシタビン併用療法は、 テモゾロミド単独と比較して、 PFSの有意な改善と関連した。 テモゾロミド+カペシタビン併用療法で観察されたPFSとRRの中央値は、 膵NETのランダム化比較試験で報告された中で最も高い値である。 MGMT欠損は奏効と関連しており、 ルーチンのMGMT検査は推奨されないが、 客観的な奏効が必要な一部の患者に対して検討することができる。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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