海外ジャーナルクラブ
4日前
Oliveiraらは、 エストロゲン受容体 (ER) 陽性HER2陰性の進行乳癌の2次治療以降における経口エストロゲン受容体分解薬 (SERD) camizestrantの有効性について、 フルベストラントを対照に第Ⅱ相多用量非盲検無作為化比較試験SERENA-2で検証した。 その結果、 PFSの有意な改善を認めた。 本研究はLancet Oncolにて発表された。
対象患者の上位3ヵ国がジョージア、 ウクライナ、 ロシアであることは、 注目すべき点と言えます。
ホルモン受容体 (HR) 陽性乳癌に対する内分泌療法は耐性が課題となっている。 本研究では、 次世代経口SERDのcamizestrantと従来のSERDであるフルベストラントの有効性および安全性を比較検証した。
少なくとも1ラインの内分泌療法を受けて再発または進行した、 18歳以上の閉経後ER陽性HER2陰性乳癌患者240例を、 以下の4群に無作為に割り付けた。
主要評価項目は担当医評価による全集団の無増悪生存期間 (PFS) とし、 各用量群における臨床的有効性が評価された。
なお、 300mg群とフルベストラント群の有効性解析では、 統計学的比較検証は行われなかった。
各群のPFS中央値を以下に示す。 camizestrant 75mg群と150mg群で、 PFSの有意な改善を示した。
75mg群 vs フルベストラント群のハザード比は0.59 (90%CI 0.42-0.82、 p=0.017)、 150mg vs フルベストラントのハザード比は0.64 (90%CI 0.46-0.89、 p=0.0090) だった。
治療関連有害事象 (TRAE) の発現率は、 75mg群が53%、 150mg群が67%、 300mg群が70%、 フルベストラント群が18%だった。
Grade 3以上のTRAE発現率は全ての群で3%以下であり、 治療関連死亡は認められなかった。
著者らは 「ER陽性HER2陰性乳癌におけるcamizestrant75mgおよび150mgは、 フルベストラントに比べてPFSを有意に改善した。 この結果は、 camizestrantのさらなる治療開発を支持するものである」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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