【Lancet】転移を有する褐色細胞腫または傍神経節腫にスニチニブが有望
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【Lancet】転移を有する褐色細胞腫または傍神経節腫にスニチニブが有望

【Lancet】転移を有する褐色細胞腫または傍神経節腫にスニチニブが有望
Baudinらは、 散発性または遺伝性の転移を有する進行性褐色細胞腫および傍神経節腫の患者を対象に、 チロシンキナーゼ阻害薬スニチニブの有効性および安全性を国際多施設プラセボ対照二重盲検第Ⅱ相無作為化比較試験FIRSTMAPPPで検討した。 その結果、 スニチニブはプラセボと比較し、 12ヵ月時点における無増悪生存率 (PFS) を有意に改善した。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

Sunitinib for metastatic progressive phaeochromocytomas and paragangliomas: results from FIRSTMAPPP, an academic, multicentre, international, randomised, placebo-controlled, double-blind, phase 2 trial. Lancet. 2024 Mar 16;403(10431):1061-1070. PMID: 38402886

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

P2試験ですが、 本研究のようなultra-rare cancerにおいてはbest achievable level of evidenceを提供し強いimpactを残しています。


褐色細胞腫・傍神経節腫を対象とした初の試験

転移を有する褐色細胞腫および傍神経節腫の患者を対象とした無作為化比較試験はこれまで実施されていない。 スニチニブに関しては、 前臨床試験および第Ⅰ相試験において有益な効果が示唆されている。

主要評価項目は12ヵ月時PFS

転移を有する進行性褐色細胞腫・傍神経節腫の患者が対象

散発性または遺伝性の転移を有する進行性褐色細胞腫および傍神経節腫の18歳以上の患者 : 78例

クロスオーバーを許容

  • スニチニブ群 : 39例
スニチニブ 37.5mg/日を経口投与
  • プラセボ群 : 39例

プラセボ群からのクロスオーバーも認めた。

主要評価項目

12ヵ月時点におけるPFS

主要評価項目を達成

12ヵ月時PFS

スニチニブの有効性に関する仮説の妥当性が確認された。

スニチニブ群 : 36% (90%CI 23-50%)

プラセボ群 : 19% (同11-31%)

Grade3/4の有害事象の発現頻度

無力症

  • スニチニブ群 : 18% (39例中7例)
  • プラセボ群 : 3% (39例中1例)

高血圧

  • スニチニブ群 : 13% (39例中5例)
  • プラセボ群 : 10% (39例中4例)

背部/骨痛

  • スニチニブ群 : 3% (39例中1例)
  • プラセボ群 : 8% (39例中3例)

両群で死亡例に差なし

  • スニチニブ群 : 3例 (呼吸不全、 筋萎縮性側索硬化症、 直腸出血)
  • プラセボ群 : 2例 (誤嚥性肺炎、 敗血症性ショック)

スニチニブの使用を支持する結果

著者らは、 「本試験は、 進行性転移性褐色細胞腫および傍神経節腫の治療において、 最も高い水準のエビデンスを有する治療選択肢としてスニチニブの使用を支持するものである」 と結論付けている。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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