HOKUTO編集部
1年前
新規二重特異性抗体zanidatamabとドセタキセル(DTX)の併用療法の有効性および安全性について、 未治療のHER2陽性進行乳癌を対象に検討した第Ⅰb/Ⅱ相試験の結果から、 同併用療法は管理可能な安全性プロファイルと有望な抗腫瘍活性を示すことが認められた。 中国・Zhejiang Cancer HospitalのXiaojia Wang氏がASCO Breakthrough 2023で発表した。
HER2を標的とする新規の二重特異性抗体で、 HER2の2つの異なる部位 (ドメイン2とドメイン4)に同時に結合。HER2のシグナル伝達をより効果的に遮断することが期待される。
全身化学療法の治療歴のない切除不能の局所再発または転移のあるHER2陽性乳癌患者。 術前化学療法または術後補助化学療法としてのトラスツズマブの治療歴は、 実施から12カ月以上経過している場合は対象に含めた。
コホートA:10例
コホートB:27例
病勢進行または許容できない毒性が発現するまで投与を継続した
主要評価項目:有害事象/重篤な有害事象、 客観的奏効率 (ORR)
・ 年齢中央値:55.0歳(範囲33-80歳)
・ 人種:中国人73%、 韓国人27%
・ HER2:IHC3+ 86.5%、 IHC2+/FICH+ 13.5%
・ ホルモン受容体(HR)陽性:56.8%
追跡期間中央値 15.5カ月 (範囲1.1-29.3カ月)
・ ORR 90.9% (95%CI 75.7-98.1%)
・ DoR 未到達 (95%CI 12.1-未到達)
・ DCR* 97.0% (95%CI 84.2-99.9%)
・ グレード3以上のTRAE:67.6% (25例)
- 好中球数減少 (48.6%)
- 白血球数減少 (18.9%)
・ 重篤なTRAE:16.2% (6例)
・ 致死的なTRAE:0%
HER2陽性進行乳癌の1次治療として、 zanidatamab+ドセタキセル併用療法は有望な抗腫瘍活性かつ管理可能な安全性プロファイルを示した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。