海外ジャーナルクラブ
2ヶ月前
Armstrongらは、 中等症~重度の尋常性乾癬患者を対象に、 アロステリック型チロシンキナーゼ2 (TYK2) 阻害薬zasocitinib (TAK-279) の有効性、 安全性を第Ⅱb層二重盲検無作為化比較試験で検討した。 その結果、 zasocitinibの投与はプラセボと比較して、 12週間にわたり良好な皮膚症状の改善を認めた。 本研究は、 JAMA Dermatol誌にて発表された。
プラセボ効果が高く出やすい皮膚疾患でありながら、 プラセボ群での改善率が0~6%程度に収まっています。 アウトカム設定が見事とも言えます。
乾癬は慢性的な炎症性皮膚疾患であり、 有効性と忍容性に優れた新規の経口治療薬の開発が求められている。
ZasocitinibはTYK2に高い選択性を有するアロステリック型TYK2阻害薬として、 特に中等症~重度の尋常性乾癬への有効性が期待されている。
18~70歳で中等度~重度*の尋常性乾癬患者287例を対象に、 zasocitinibを2mg、 5mg、 15mg、 30mgを投与する群とプラセボを投与する群に無作為に割り付けた。 投与は1日1回、 2週間行われた。
主要評価項目は12週時点におけるPASI 75 (ベースラインから75%以上の改善) の達成率、 副次評価項目はPASI 90・PASI 100の達成率とした。
また、 安全性評価項目として試験治療下における有害事象、 重篤な有害事象、 臨床検査値などが設定された。
12週でのPASI 達成率は以下の通りであった。
PASI 75達成率
PASI 90達成率
PASI 100達成率
治療中に発生した有害事象は、 プラセボ群で44%、 zasocitinibの4群では53~62%で確認されたが、 発現率に用量依存性はなかった。
臨床検査値に関しても、 臨床的に意味のある経時的変化は認められなかった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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