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46日前

【注意!】夏の漢方処方 「芍薬甘草湯」 だけじゃない!? 偽アルドステロン症・低K血症


夏は発汗による脱水や電解質異常から「こむら返り」を訴える方が多くなります. 
"芍薬甘草湯"は即効性を持つ漢方薬で「急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛、 筋肉・関節痛、胃痛、腹痛」に対する適応を有するため、 こむら返りに使用される機会が多くなっていますが、 カンゾウ(甘草)を多く含むため低K血症や偽アルドステロン症に要注意です.

カンゾウを多く含む漢方薬

カンゾウといえば芍薬甘草湯のイメージがありますが、 カンゾウが多く配合された漢方薬は芍薬甘草湯のみではありません.


単剤での服用と併せて併用によりカンゾウの服用量が増えてしまうことも少なくありません. カンゾウを多く含む漢方薬をまとめてみます.


💊薬剤添付文書

甘草湯芍薬甘草湯甘麦大棗湯黄ごん湯黄連湯桔梗湯芎帰膠艾湯桂枝人参湯五淋散炙甘草湯小青竜湯人参湯排膿散及湯附子理中湯半夏瀉心湯乙字湯

低カリウム血症の発症機序

カンゾウに含まれるグリチルリチン酸は体内でグリチルレチン酸に代謝されます.


グリチルレチン酸はコルチゾールをコルチゾンに変換する11β-水酸化ステロイド脱水素酵素 (11β-HSD:11β-HydroxySteroid Dehydrogenase) を阻害し、 尿細管におけるコルチゾールを増加させます.



コルチゾールが尿細管のアルドステロン受容体に結合した結果、 ナトリウムの再吸収とカリウムの排泄が促進されてしまい低カリウム血症を起こしやすくなります.


これはアルドステロンが過剰になった場合と臨床症状が類似しているため、 偽アルドステロン症と呼ばれています.

カンゾウ摂取量とグリチルリチン酸摂取量の関係

生薬であるカンゾウ (マメ科カンゾウ属の植物を乾燥したもの) に含まれるグリチルリチン酸の量は一定ではありませんが、 カンゾウ1.0gに対するグリチルリチン酸の含有量は40mgが目安とされています.


甘草湯や芍薬甘草湯はカンゾウ含有量が多いですが、 使用期間が短いことを前提に限定的に認められています.


また、 1日あたりのカンゾウの量が2.5gを越す場合、 「アルドステロン症の患者」、 「ミオパチーのある患者」、 「低カリウム血症のある患者」は禁忌とするように定められています.

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最終更新:2022年8月12日
執筆:ぺんぎん薬剤師 @penguin_pharm
監修:聖路加国際病院救急部 清水真人

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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