【化学療法】発熱性好中球減少症の重症化予測スコア -外来治療?それとも入院?
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HOKUTO編集部

3年前

【化学療法】発熱性好中球減少症の重症化予測スコア -外来治療?それとも入院?

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MASCCスコアとは

  • The Multinational Association for Supportive Care in Cancer Risk Indexの略.
  • 発熱性好中球減少症(FN) の患者を退院させるかどうかを判断するスコア.

項目

  • 重症度:軽症 +5 中等症 +3 重症 +0
  • 血圧低下がない sBP≧90mmHg +5
  • COPDがない +4
  • 固形がんである、 あるいは造血器腫瘍で真菌感染症の既往がない +4
  • 脱水がない +3
  • 外来管理中に発熱した患者 +3
  • 年齢<60歳 +2

エビデンス

  • 21点以上低リスク患者である可能性を示唆する (陽性適中率91%、 感度71%、 特異度68%) . 1に該当する場合, 外来治療を考慮することができる.
  • 20点以下高リスクであり入院推奨. その他の 「2.入院治療が無難なリスク因子」も要確認

1.外来治療を考慮するポイント

  • 好中球減少が7日以内と予想される
  • 臓器障害がない
  • 経口薬剤投与が可能
  • 経験ある治療医, 救急センターが自宅近くに24時間体制で存在する.
  • 患者や家族の病状理解が進んでおり, 外来治療を望んでいる.

2.入院治療が無難なリスク因子

  • 発熱時, すでに入院していた
  • 重大な合併症が存在する
  • バイタルサインが不安定
  • 好中球<100/μLが予想される
  • 好中球減少の7日以上の持続が予想される
  • 臓器障害
  • 原病である悪性腫瘍のコントロール良好
  • 他の感染症を合併している
  • Grade3-4の粘膜障害を合併している
  • アレムツズマブ(マブキャンパス®) を使用中

使用上の注意

  • 16歳未満には適用しない.
  • 低リスクと判断されても、 実際に帰宅とするには専門家へのコンサルトが推奨される.

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🚑 ERマニュアル|熱性好中球減少症

📝 CTCAE|熱性好中球減少症

📘 発熱性好中球減少症(FN)診療ガイドライン*

🔢 MASCC スコア

*最新版が有料で出版されています

参考文献

  1. The Multinational Association for Supportive Care in Cancer risk index: A multinational scoring system for identifying low-risk febrile neutropenic cancer patients. J Clin Oncol . 2000 Aug;18(16):3038-51.PMID: 10944139
最終更新:2021年12月28日
監修医師:伊勢原協同病院血液内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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