海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前
Leighlらは、 難治性のEGFR遺伝子変異非小細胞肺癌 (NSCLC) を対象に、 EGFR-MET二重特異性抗体アミバンタマブ皮下投与+第三世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ラゼルチニブの有効性および安全性について、 アミバンタマブ静脈内投与+ラゼルチニブを対照に、 第Ⅲ相非盲検無作為化比較試験PALOMA-3で検討した。 その結果、 アミバンタマブ皮下投与の静脈内投与に対する非劣性が示され、 忍容性の向上およびインフュージョンリアクションと血栓塞栓症発現率の低下が明らかにされた。 本研究はJ Clin Oncolにおいて発表された。
Subcutaneous versus Intravenous Amivantamab, both in Combination with Lazertinib, in Refractory EGFR-mutated NSCLC: Primary Results from the Phase 3 PALOMA-3 Study. J Clin Oncol. 2024 Jun 10:JCO2401001. PMID: 38857463
皮下投与と静脈投与を比較した研究です。 このような皮下vs.静脈という研究は、 PubMedで調べるとさまざまな薬剤で47件くらいRCTが行われていました。
アミバンタマブ静脈内投与の第III相試験では、 EGFR変異陽性進行NSCLCに対して有効性が示された。 同薬の皮下投与は有効性を維持しながら忍容性を改善し、 投与時間を短縮できる可能性がある。 今回は、 ラゼルチニブ併用下において、 アミバンタマブ静脈内投与に対する皮下投与の非劣性などが確認された。
第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬オシメルチニブおよびプラチナベースの化学療法後に進行したEGFR変異陽性 (ex19delまたはL858R) のNSCLC患者 : 418例
患者を1 : 1の割合で以下の2群に無作為に割り付けた。
(AUC D1-D15)
客観的奏効率 (ORR)、 奏効期間 (DOR)、 無増悪生存期間 (PFS)、 患者満足度、 安全性
全生存期間 (OS)
薬物動態の評価項目(Ctrough、 AUC D1-D15)はいずれも非劣性基準を満たしていた。
Ctroughの幾何平均比
2サイクル目のAUC D1-D15
1.03
ORR
相対リスク (RR) 0.92 (95%CI 0.70-1.23)、
非劣性のp=0.001
DOR中央値
PFS中央値
HR 0.84 (95%CI 0.64-1.10)、 p=0.20
OS
SC群で有意に長かった。
HR 0.62 (95%CI 0.42-0.92)、
名目上のp=0.02
1年OS率
インフュージョンリアクションの発現率
静脈血栓塞栓症の発現率
投与時間中央値
著者らは 「オシメルチニブ+化学療法後の進行EGFR遺伝子変異陽性NSCLCに対し、 アミバンタマブ皮下投与は静脈内投与に対して非劣性を示し、 インフュージョンリアクションおよび静脈血栓塞栓症の発現率が低下した」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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