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134日前

【論文】低用量アスピリンの新規使用は胃・十二指腸潰瘍の発症リスクと相関

Nguyenらは, 低用量アスピリンと胃・十二指腸潰瘍の発症率をコホート研究において検討. その結果, 新規使用者に限定したデザインでは低用量アスピリンが胃潰瘍と十二指腸潰瘍の発症に有意に関係していることが明らかとなった. 本研究はAliment Pharmacol Ther誌において発表された.

背景

  • 低用量アスピリンは消化性潰瘍の危険因子だが, これまでのポピュレーションベースのコホート研究において, 新規使用者を組み込んだ研究デザインを用いていないため, 低用量アスピリンのリスクを過小評価している可能性があった.
  • 消化管出血は, 低用量アスピリン治療開始後早期により頻繁に発生する.

研究デザイン

ESTHER試験 (7,737名) および, UK Biobank (213,598名) の登録者を対象に, Cox回帰モデルで検討した.

研究結果

有病率デザインでは, 両コホートで低用量アスピリンと胃潰瘍の有意な関連は観察されなかった.
  • UK Biobankでは低用量アスピリンの使用と十二指腸潰瘍に統計的に弱い有意な相関が認められた (HR 1.27, 95%CI 1.07~1.51),
  • ESTHER研究においては関連がなかった (HR 1.33, 95%CI 0.54~3.29)
対象を新規使用者に限定した場合, 胃潰瘍および十二指腸潰瘍の発症のHRは以下の通りで, 低用量アスピリン仕様と有意に関係していることが明らかとなった. 

  • 胃潰瘍:1.82 (95%CI 1.58~2.11)
  • 十二指腸潰瘍:1.66 (95%CI 1.36~2.04)

  • 胃潰瘍:2.83 (95%CI 1.40~5.71)
  • 十二指腸潰瘍:3.89 (95%CI 1.46~10.42)

結論

低用量アスピリンが胃潰瘍と十二指腸潰瘍との独立した危険因子であることを示している. その関連性は, 両コホートの有病者デザインでは有意でないか弱いが, 新規使用者に限定したデザインでは強く, 統計的に有意であった. したがって, 低用量アスピリン治療を開始する際には, リスクとベネフィットを考慮し, 低用量アスピリン治療開始後の胃腸症状を観察することが重要である.

原著

Nguyen TNM, et al, Strongly increased risk of gastric and duodenal ulcers among new users of low-dose aspirin: results from two large cohorts with new-user design. Aliment Pharmacol Ther. 2022 Jul;56(2):251-262.PMID: 35621052

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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