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1ヶ月前

山口大学医学系研究科泌尿器科学の德永貴範氏らの研究グループは、 日本の転移性ホルモン感受性前立腺癌 (mHSPC) 患者を対象として、 Gleason分類および生化学的マーカーを統合した新たなリスク層別化モデルを開発・検証し、 CHAARTED分類を補完する臨床的有用性を多施設共同後ろ向き研究で評価した。 その結果、 本研究で開発された新規リスクモデルはCHAARTED分類と併用することで予後層別化の精度を改善し、 ハイボリュームの患者における治療強度の個別化を可能にした。 本研究はProstate誌において発表された。
アルブミン値<4.0g/dLは欧米の正常基準を前提にしていると思われますが、 日本人集団では分布がやや低めの傾向があるため、 少し注意が必要です。
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本研究では、 日本のmHSPC患者における予後を予測するため、 Gleason分類および生化学的マーカーを統合した新たなリスク層別化モデルを開発・検証することを目的とした。
また、 治療方針決定を支援するため、 CHAARTED分類を補完する臨床的有用性を多施設共同後ろ向き研究で評価した。
2018年1月~23年12月に山口大学医学部附属病院および関連施設で治療を受けたmHSPC患者294例を対象とした。 初回治療として、 アンドロゲン除去療法にアンドロゲン受容体シグナル伝達阻害薬またはドセタキセルを併用した患者が含まれた。
主要評価項目は去勢抵抗性前立腺癌発症までの期間 (TTCRPC) であった。 多変量Cox比例ハザードモデルを用いて独立した予後因子を同定し、 新たなリスク分類を開発した。
多変量解析により、 以下がTTCRPCの独立した予測因子として同定された。
これらの因子数 (低リスク 0~1、 中間リスク 2、 高リスク 3) による層別化により、 TTCRPCの転帰に有意差が認められた (中央値 : 未到達、 35ヵ月、 12ヵ月、 いずれもlog-rank検定p<0.0001)。
また、 CHAARTED分類と組み合わせると、 ハイボリュームの患者でリスク因子が0~1個の場合はローボリュームの患者と同等の予後を示した一方で、 2個以上の場合は有意に予後が悪化した。
著者らは 「本研究で開発された新規リスクモデルはCHAARTED分類と併用することで予後層別化の精度を改善し、 ハイボリュームの患者における治療強度の個別化を可能にした。 今後、 さらなる前向き研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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