HOKUTO編集部
21日前

HLA適合非血縁ドナーからの同種造血細胞移植 (alloHCT) における移植片対宿主病 (GVHD) 予防として、 移植後シクロホスファミド (PTCy) と抗Tリンパ球グロブリン (ATLG) を比較した第Ⅲ相無作為化比較試験GRAPPAの結果から、 PTCy-100*はATLG-30**に対するOSの非劣性を示せなかった。 ドイツ・University Hospital DresdenのJohannes Schetelig氏が発表した。
ATLGは、 HLA適合非血縁ドナーおよび血縁ドナーからのalloHCTにおけるGVHD予防として確立されている。 一方、 PTCyもHLA適合移植におけるGVHD予防として用いられているが、 両者を直接比較した第Ⅲ相無作為化比較試験は、 これまで実施されていなかった。
対象は、 急性骨髄性白血病 (AML)、 骨髄異形成症候群 (MDS)、 骨髄異形成/骨髄増殖性腫瘍 (MDS/MPN)、 慢性骨髄単球性白血病1型/2型 (CMML-1/2) を有し、 8/8適合または1座不適合までの非血縁ドナーから末梢血幹細胞移植を予定していた成人患者だった。 640例を以下の2群に3 : 2で無作為に割り付けた。
主要評価項目は全生存期間 (OS) で、 PTCy-100のATLG-30に対する非劣性の検証を目的とした。
追跡期間中央値2.3年時点で、 ITT集団における2年OS率はPTCy-100群が68% (95%CI 63-73%)、 ATLG-30群が75% (同 69-80%) だった。 調整HRは1.341 (95%CI 0.999-1.801) で、 PTCy-100のOS非劣性は示されなかった (非劣性検定p=0.85)。
急性GVHD grade II-IVの累積発症率は、 PTCy-100群でATLG-30群より低く、 調整HRは0.70 (95%CI 0.51-0.96) だった。 一方、 grade III-IVの急性GVHDには差を認めなかった。
慢性GVHDについても、 全gradeはPTCy-100群で低率であり、 調整HRは0.59 (95%CI 0.45-0.77) だった。 重症慢性GVHDの調整HRは0.71 (95%CI 0.41-1.23) で、 明確な差は示されなかった。
2年GRFS (GVHD・再発なし生存) 率は、 PTCy-100群が48% (95%CI 43-53%)、 ATLG-30群が40% (同 34-47%) で、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.85 [95%CI 0.69-1.06]、 p=0.16)。
一方、 非再発死亡 (NRM) はPTCy-100群で高率だった。 2年NRM率はPTCy-100群13% (95%CI 9-16%)、 ATLG-30群7% (同 4-11%) で、 PTCy-100群で有意に高かった (HR 1.86 [95%CI 1.09-3.17]、 p=0.02)。
死因別解析では、 再発後死亡、 重症GVHD関連死亡、 その他の死因に明らかな差はみられなかったものの、 重症GVHDを伴わない感染症死亡はPTCy-100群で高率だった (2年時7.7% vs 3.1%、 p=0.023)。
また、 PTCy-100群では生着遅延や感染イベントが多く、 G-CSF使用率は58% vs 26% (p<0.001)、 好中球数 500/μL到達までの中央値は21日 vs 17日 (p<0.001)、 HCTから退院までの中央値は26日 vs 22日 (p<0.001) だった。
Schetelig氏は 「ATLG-30+タクロリムス+MMFによるGVHD予防は、 HLA適合非血縁ドナーHCTにおける標準治療であり続ける。 一方、 PTCy-100+タクロリムス+MMFはGVHD予防に高い効果を示したことから、 今後はPTCyベースのGVHD予防後の免疫再構築を改善する戦略の検討が求められる」 と報告した。
💊 PTCy (Post-Transplantation Cyclophosphamide)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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