海外ジャーナルクラブ
2年前
Sonneveldらは、 治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫 (RRMM) 患者を対象に、 ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Vd) にダラツムマブを加えた三剤併用療法 (D-Vd) の効果を多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験で検討 (CASTOR)。 その結果、 D-VdはRRMM患者のOSを有意に延長し、 OSの最大効果は治療歴が1ラインの患者において観察された。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。
再発・難治性多発性骨髄腫において、 初めて全生存期間に有意差をもたらしたダラツムマブを含んだ治療です。 生存が約1年間延長されるというのは大きな効果と言えると思います。
CASTOR試験の主要解析において、 D-VdはRRMMにおけるVdと比較して無増悪生存期間 (PFS) を著しく延長させた。
前治療が1ライン以上のRRMM患者
追跡期間中央値72.6カ月 (0.0~79.8カ月) の時点で、 D-Vd療法により有意なOS延長効果が認められた (P=0.0075)。
OS中央値
サブグループ解析では、 年齢 65 歳以上の患者、 1~2種類の治療歴のある患者、 ISSステージ Ⅲ、 高リスクの細胞遺伝学的異常、 ボルテゾミブ治療歴など、 ほとんどのサブグループで、 D-VdのOS改善効果が確認された。
最も多く見られたグレード 3/4の治療起因性有害事象
血小板減少症
貧血
好中球減少
リンパ球減少
肺炎
D-VdはRRMM患者のOSを有意に延長し、 その最大効果は治療歴が1ラインの患者において観察された。 今回の結果は、 第Ⅲ相POLLUX試験においてダラツムマブとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法で認められたOS延長効果と合わせて、 RRMMにおいて初めてダラツムマブを含むレジメンによるOS延長効果を実証するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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