【J Clin Oncol】再発・難治性多発性骨髄腫の治療、D-Vd三剤併用でOSが改善
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【J Clin Oncol】再発・難治性多発性骨髄腫の治療、D-Vd三剤併用でOSが改善

【J Clin Oncol】再発・難治性多発性骨髄腫の治療、D-Vd三剤併用でOSが改善
Sonneveldらは、 治療歴のある再発・難治性多発性骨髄腫 (RRMM) 患者を対象に、 ボルテゾミブ+デキサメタゾン (Vd) にダラツムマブを加えた三剤併用療法 (D-Vd) の効果を多施設共同無作為化非盲検第Ⅲ相試験で検討 (CASTOR)。 その結果、 D-VdはRRMM患者のOSを有意に延長し、 OSの最大効果は治療歴が1ラインの患者において観察された。 本研究は、 J Clin Oncol誌において発表された。

📘原著論文

Overall Survival With Daratumumab, Bortezomib, and Dexamethasone in Previously Treated Multiple Myeloma (CASTOR): A Randomized, Open-Label, Phase III Trial. J Clin Oncol. 2022 Nov 22;JCO2102734.PMID: 36413710

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

再発・難治性多発性骨髄腫において、 初めて全生存期間に有意差をもたらしたダラツムマブを含んだ治療です。 生存が約1年間延長されるというのは大きな効果と言えると思います。

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DVd療法

HOKUTO化学療法レジメン

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多発性骨髄腫の国際病期分類

SLiM-CRAB

多発性骨髄腫の診断基準

背景

CASTOR試験の主要解析において、 D-VdはRRMMにおけるVdと比較して無増悪生存期間 (PFS) を著しく延長させた。

研究デザイン

対象

前治療が1ライン以上のRRMM患者

  • D-Vd群:Vd 療法 (最大8サイクル) +ダラツムマブ (病勢進行まで) 併用療法
  • Vd群:Vd 療法

研究結果

OS延長効果

追跡期間中央値72.6カ月 (0.0~79.8カ月) の時点で、 D-Vd療法により有意なOS延長効果が認められた (P=0.0075)。

HR 0.74、 95%CI、 0.59-0.92

OS中央値

  • D-Vd群:49.6カ月
  • Vd群:38.5カ月

サブグループ解析

サブグループ解析では、 年齢 65 歳以上の患者、 1~2種類の治療歴のある患者、 ISSステージ Ⅲ、 高リスクの細胞遺伝学的異常、 ボルテゾミブ治療歴など、 ほとんどのサブグループで、 D-VdのOS改善効果が確認された。

安全性評価

最も多く見られたグレード 3/4の治療起因性有害事象

血小板減少症

  • D-Vd群:46.1%
  • Vd群:32.9%

貧血

  • D-Vd群:16.0%
  • Vd群:16.0%

好中球減少

  • D-Vd群:13.6%
  • Vd群:4.6%

リンパ球減少

  • D-Vd群:10.3%
  • Vd群:2.5%

肺炎

  • D-Vd群:10.7%
  • Vd群:10.1%

結論

D-VdはRRMM患者のOSを有意に延長し、 その最大効果は治療歴が1ラインの患者において観察された。 今回の結果は、 第Ⅲ相POLLUX試験においてダラツムマブとレナリドミドおよびデキサメタゾンの併用療法で認められたOS延長効果と合わせて、 RRMMにおいて初めてダラツムマブを含むレジメンによるOS延長効果を実証するものである。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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