【Lancet】急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与、 アルテプラーゼに対して非劣性
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2年前

【Lancet】急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与、 アルテプラーゼに対して非劣性

【Lancet】急性期脳梗塞へのテネクテプラーゼ投与、 アルテプラーゼに対して非劣性
Wangらは、 急性期脳梗塞患者の成人患者を対象に、 アルテピラーゼとテネクテプラーゼの有効性と安全性を多施設共同前向き非盲検無作為化比較非劣性試験で検討。 その結果、 テネクテプラーゼはアルテプラーゼに対して非劣性であった。 本研究は、 Lancet誌において発表された。

📘原著論文

テネクテプラーゼ versus アルテプラーゼ in acute ischaemic cerebrovascular events (TRACE-2): a phase 3, multicentre, open-label, randomised controlled, non-inferiority trial. Lancet. 2023 Feb 25;401(10377):645-654.PMID: 36774935

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

テネクテプラーゼは、 遺伝子組み換え型の組織プラスミノーゲン活性化因子で、 アルテプラーゼよりもフィブリン親和性が高く、 かつ半減期が長く、 ボーラス投与が可能です。

🔢関連コンテンツ

静注血栓溶解療法(rt-PA)のチェックリスト

適応外・禁忌項目、慎重投与項目

ASPECTSスコア

急性期脳梗塞におけるCT定量化スコア

背景

急性期脳梗塞患者に対する血栓溶解療法として、 アルテプラーゼからテネクテプラーゼへの置き換えに関心が高まっている。

研究デザイン

対象

標準的な静脈内血栓溶解療法は適応となるが血管内血栓除去術は適応とならない成人の急性期脳梗塞患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で割り付け。

  • テネクテプラーゼ群:716名
テネクテプラーゼ静脈内投与 (0~25mg/kg、 最大25mg)
  • アルテプラーゼ群:714名
アルテプラーゼ静脈内投与 (0~9mg/kg、 最大90mg)

主要評価項目

90日後の🔢mRS (modified Rankin Scale)が 0-1 であった患者の割合

リスク比 (RR) の非劣性マージンは0.937

安全性の主要評価項目

36時間以内の症候性頭蓋内出血

研究結果

修正 intention-to-treat 集団における主要転帰の発生

  • テネクテプラーゼ群:62% (705名中439名)
  • アルテプラーゼ群:58% (696名中405名)
RR 1.07、 95%CI 0.98-1.16

RRの95%CIの下限は非劣性マージンより大きかった。

36時間以内の症候性頭蓋内出血

  • テネクテプラーゼ群:2% (711名中15名)
  • アルテプラーゼ群:2% (706名中13名)
RR 1.18、 95%CI 0.56-2.50

90日以内の死亡

  • テネクテプラーゼ群:7% (711名中46名)
  • アルテプラーゼ群:5% (706名中35名)
RR 1.31、 95%CI 0.86-2.01

結果の解釈

標準的な静脈内血栓溶解療法の適応であるが、 血管内血栓除去術の適応がない、 あるいは拒否された脳梗塞の患者において、 テネクテプラーゼはアルテプラーゼに対して非劣性であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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