【Lancet】sparsentan、 IgA腎症の蛋白尿をイルベサルタンと比べ長期に低減-PROTECT追加報告
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海外ジャーナルクラブ

5ヶ月前

【Lancet】sparsentan、 IgA腎症の蛋白尿をイルベサルタンと比べ長期に低減-PROTECT追加報告

【Lancet】sparsentan、 IgA腎症の蛋白尿をイルベサルタンと比べ長期に低減-PROTECT追加報告
Rovin氏らは、 免疫グロブリンA (IgA) 腎症を対象に、 新規で非免疫抑制性単分子のエンドセリン受容体・アンジオテンシン受容体二重拮抗薬であるsparsentanの有効性と安全性について、 第III相二重盲検無作為化実薬対照試験PROTECTで検討した。 その結果、 sparsentanはイルベサルタンと比較して、 長期に渡り有意に蛋白尿を低減させた。 この研究はLancet誌において発表された。 

📘原著論文

Efficacy and safety of sparsentan versus irbesartan in patients with IgA nephropathy (PROTECT): 2-year results from a randomised, active-controlled, phase 3 trial. Lancet. 2023 Dec 2;402(10417):2077-2090. PMID: 37931634

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

予定されていた中間解析、 今回の本解析ともにLancetに掲載されています。 さらなる長期アウトカムが気になりますが、 今回がfinal analysisとのことです。

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eGFR の計算

【Lancet】成人のIgA腎症、sparsentanで蛋白尿が有意に低下

中間解析の結果

背景

第Ⅲ相試験PROTECTは18ヵ国134施設が参加した国際的試験であり、 36週時点でsparsentan群はイルベサルタンと比較して有意な蛋白尿の減少を認めている。 今回は、 二重盲検最終解析から110週にわたる追跡データが報告された。

研究デザイン

対象

生検で原発性IgA腎症が認められ、 12週間以上レニン・アンジオテンシン系を最大限抑制しているにもかかわらず、 1.0g/日以上の蛋白尿を認める18歳以上の患者

介入

患者を1 : 1の割合で以下のように無作為に割り付けた。

  • sparsentan群 : 202例
目標用量400mg、 1日1回経口投与
  • イルベサルタン群 : 202例
目標用量300mg、 1日1回経口投与

主要評価項目

36週時点における治療群間の蛋白尿の変化量の差

※中間解析によってすでに蛋白尿の有意な減少を認めている

副次評価項目

  • 推定糸球体濾過量 (eGFR) の変化率
  • 蛋白尿の変化
  • 腎不全の複合エンドポイント
eGFRの40%低下、 末期腎不全、 全死因死亡
  • 無作為化~110週までの安全性と忍容性

研究結果

推定糸球体濾過量 (eGFR) の変化率

sparsentan群の患者はイルベサルタン群の患者に比較してeGFRの低下速度が遅かった。

2年間のeGFRの勾配 (6~110週)

  • sparsentan群 : -2.7mL/分/1.73m²/年
  • イルベサルタン群 : -3.8mL/分/1.73m²/年
群間差 : 1.1mL/分/1.73m²/年、 p=0.037
95%CI 0.1-2.1mL/分/m²/年

蛋白尿の変化率

36週時に認めたsparsentan群での蛋白尿の有意な減少は、 試験期間を通じて維持された。

110週時の蛋白尿

  • sparsentan群 : -42.8%
  • イルベサルタン群 : -4.4%
幾何最小二乗平均比 0.60
95%CI 0.50-0.72

腎不全の複合エンドポイント発生率

  • sparsentan群 : 9% (202例中18例)
  • イルベサルタン群 : 13% (202例中26例)
相対リスク : 0.7
95%CI 0.4-1.2

安全性評価

試験薬投与に起因する有害事象はsparsentan群とイルベサルタン群で同等に見られ、 新たな安全性シグナルは認めなかった。

結論

IgA腎症において、 sparsentan群はイルベサルタン群と比較して蛋白尿を有意に減少させ、 腎機能の維持に有効であることが示唆された。

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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