海外ジャーナルクラブ
12ヶ月前
Rovin氏らは、 免疫グロブリンA (IgA) 腎症を対象に、 新規で非免疫抑制性単分子のエンドセリン受容体・アンジオテンシン受容体二重拮抗薬であるsparsentanの有効性と安全性について、 第III相二重盲検無作為化実薬対照試験PROTECTで検討した。 その結果、 sparsentanはイルベサルタンと比較して、 長期に渡り有意に蛋白尿を低減させた。 この研究はLancet誌において発表された。
予定されていた中間解析、 今回の本解析ともにLancetに掲載されています。 さらなる長期アウトカムが気になりますが、 今回がfinal analysisとのことです。
【Lancet】成人のIgA腎症、sparsentanで蛋白尿が有意に低下
第Ⅲ相試験PROTECTは18ヵ国134施設が参加した国際的試験であり、 36週時点でsparsentan群はイルベサルタンと比較して有意な蛋白尿の減少を認めている。 今回は、 二重盲検最終解析から110週にわたる追跡データが報告された。
生検で原発性IgA腎症が認められ、 12週間以上レニン・アンジオテンシン系を最大限抑制しているにもかかわらず、 1.0g/日以上の蛋白尿を認める18歳以上の患者
患者を1 : 1の割合で以下のように無作為に割り付けた。
36週時点における治療群間の蛋白尿の変化量の差
sparsentan群の患者はイルベサルタン群の患者に比較してeGFRの低下速度が遅かった。
2年間のeGFRの勾配 (6~110週)
群間差 : 1.1mL/分/1.73m²/年、 p=0.037
36週時に認めたsparsentan群での蛋白尿の有意な減少は、 試験期間を通じて維持された。
110週時の蛋白尿
幾何最小二乗平均比 0.60
相対リスク : 0.7
試験薬投与に起因する有害事象はsparsentan群とイルベサルタン群で同等に見られ、 新たな安全性シグナルは認めなかった。
IgA腎症において、 sparsentan群はイルベサルタン群と比較して蛋白尿を有意に減少させ、 腎機能の維持に有効であることが示唆された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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