海外ジャーナルクラブ
1日前

Kayaniらは、 転移性または極めて高リスクの非転移性前立腺癌患者における治療中の血清前立腺特異抗原 (PSA) 値と全生存期間 (OS) との関連を、 STAMPEDEプラットフォームプロトコルに含まれる5件の第Ⅲ相無作為化比較試験 (RCT) の事後解析で検討した。 その結果、 治療中のPSA値に関連するOS率は、 転移性前立腺癌では転移量、 非転移性前立腺癌ではリンパ節転移の有無によって異なり、 PSA値と画像所見を組み合わせることでOSをより正確に予測できる可能性が示された。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
本解析は指定時点でPSA測定が可能だった患者に限定されており、 PSAデータ欠損患者は死亡や病勢進行が多かったことから、 特に進行が速い高悪性度症例が過小評価されている可能性があります。
前立腺癌では、 アンドロゲン除去療法 (ADT) などのホルモン療法後に血清PSA値が低下し、 その最低値は予後を予測するバイオマーカーとなる可能性がある。
そこで本研究では、 転移性前立腺癌では治療前の転移量、 非転移性前立腺癌ではリンパ節転移の有無で層別化し、 PSA最低値とOSとの関連を評価した。
海外多施設共同プラットフォーム試験STAMPEDEの一環として、 転移性または極めて高リスクの非転移性前立腺腺癌患者7,129例 (転移性患者 4,438例、 極めて高リスクの非転移性患者 2,691例) が、 スイスおよび英国の病院・腫瘍センター126施設で実施された5つの第Ⅲ相RCTに登録された。
これらの試験において、 対象患者は、 標準治療 (ADT単独またはADT+ドセタキセル)、 または5つの試験治療群 (ADT+ドセタキセル±ゾレドロン酸、 ADT+アビラテロン±エンザルタミド、 またはADT+前立腺放射線療法 [転移性患者のみ]) のいずれかに無作為に割り付けられた。
これら対象患者の試験データを用いてランドマーク解析を行い、 無作為化後6、 12、 24週時のPSA値とOSとの関連を検証した。 各ランドマーク解析には、 PSA値が記録されている患者のみを含めた。 カプラン・マイヤー法を用いて、 転移量またはリンパ節転移の有無で分類した患者群について、 96ヵ月OS率および対応する95%CIを推定した。
転移量評価が可能であった転移性患者のうち55.9%が高転移量であった。 一方で、 非転移性患者のうち38.4%がリンパ節転移陽性であった。
6週時または12週時でPSA値0.2ng/mL以下を達成した患者は少なかったものの、 そのOS率は24週時にPSA値0.2ng/mL以下を達成した患者と同等であった。
PSAサブカテゴリー (≦0.2ng/mL、 >0.2~1.0ng/mL、 >1.0~3.0ng/mL、 >3.0ng/mL) 別のOS率は、 転移性患者では転移量により異なり、 非転移性患者ではリンパ節転移の有無により異なっていた。
OSは、 アビラテロン±エンザルタミド群に割り付けられた患者で最も長かった。
アビラテロン±エンザルタミド群に割り付けられ、 24週時のPSA値が0.2ng/mL以下であった転移性患者において、 96ヵ月OS率は低転移量患者で64.1% (95%CI 57.8-69.8%) であり、 高転移量患者の44.6% (95%CI 37.1-51.9%) と比べて高かったが、 非転移性かつリンパ節転移陽性患者の79.4% (95%CI 73.8-83.9%) より低かった。 非転移性かつリンパ節転移陰性患者で96ヵ月OS率は最も高く、 82.8% (95%CI 78.7-86.1%) であった。
著者らは 「転移量またはリンパ節転移の有無は、 検出限界未満のPSA値を達成した患者を含め、 治療中の血清PSA値に関連するOS率に影響を及ぼすことが示された。 また、 画像所見と血清PSA値を組み合わせることで、 OSをより正確に予測できる可能性が示された。 特に24週時のPSA値はOSと最も強く関連していたが、 6、 12、 24週のいずれの時点でもPSA値0.2 ng/mL以下を達成した患者では良好な転帰が予測された。 これらの知見は前立腺癌患者の予後予測に有用であり、 今後、 臨床試験における治療選択の評価にも活用できる可能性がある」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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