【PALABA】血清RF/ACPA陽性回帰性リウマチ、 アバタセプトでRA進展リスク73%低減
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HOKUTO編集部

24日前

【PALABA】血清RF/ACPA陽性回帰性リウマチ、 アバタセプトでRA進展リスク73%低減

【PALABA】血清RF/ACPA陽性回帰性リウマチ、 アバタセプトでRA進展リスク73%低減
血清リウマトイド因子 (RF) または抗CCP抗体 (ACPA) 陽性の回帰性リウマチに対する抗CTLA-4抗体アバタセプトの有効性および安全性について、 ヒドロキシクロロキンを対照に検証した無作為化比較試験PALABAの結果から、 関節リウマチ (RA) への進展リスクが有意に低減した。 スペイン・Hospital Clinic de BarcelonaのRaimon Sanmarti氏が発表した。

背景

回帰性リウマチ対象のRCTは未実施

回帰性リウマチは、 RFまたはACPA陽性例においてRAの発症リスクが高い。 その治療は経験的に行われており、 一般的に使用されている薬剤の1つがヒドロキシクロロキンである。 アバタセプトはACPA陽性の炎症性関節痛を有する患者において、 持続性関節炎またはRAの発症を予防する可能性が示唆されている。

試験の概要

対象は血清RF/ACPA陽性回帰性リウマチ

対象は、 血清RFまたはACPAが正常値上限を超え、 持続性関節炎がなく、 DMARDsの使用歴のない回帰性リウマチ (修正Guerne-Weisman基準) 患者だった。 症状の持続期間は3ヵ月以上かつ3年未満とされた。

アバタセプトとヒドロキシクロロキンを比較評価

70例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。

  • アバタセプト (ABA) 群 : 34例
12ヵ月時までアバタセプト 125mgを週1回皮下注射、 その後は24ヵ月時まで2週毎に皮下注射
  • ヒドロキシクロロキン (HCQ) 群 : 36例
ヒドロキシクロロキン 5mg/kgを連日投与、 24ヵ月継続

主要評価項目はRA進展率

主要評価項目は、 2010年版米国リウマチ学会 (ACR) /欧州リウマチ学会 (EULAR) のRA分類基準に基づく、 RAへ進展した患者の割合だった。

試験の結果

症状持続期間の平均は約10ヵ月

症状持続期間の平均値は、 ABA群が10.6ヵ月、 HCQ群が9.7ヵ月で、 ACPA・RFの両方が陽性を示した患者はそれぞれ69.7%、 73.5%だった。

RA進展リスクを約73%低減

追跡期間24ヵ月の全集団におけるRAへ進展した患者の割合は、 HCQ群の27.8%と比較し、 ABA群では8.8%と有意に少なかった(p=0.042)。 なお、 プロトコル遵守集団 (67例) における同割合は、 ABA群が9.1%、 HCQ群が29.4%だった(p=0.035)。

12ヵ月時のRA進展率はABA群が0%、 HCQ群が22.2%であり、 RAへの進展リスクを約73%低減した(HR 0.265 [95%CI 0.073-0.964]、 p=0.0299)。

ABA群の半数以上が持続的寛解を達成

持続的寛解 (12ヵ月間の発作回数≦1回) を達成した患者の割合は、 HCQ群の22.9%に対してABA群では55.9%と有意に多かった(p=0.007)。

重篤な有害事象は少数のみ

重篤な有害事象の発現率はABA群が2.9%、 HCQ群が5.6%だった。

結論

アバタセプトは回帰性リウマチの症状コントロールとRAへの進行予防に有効

Sanmarti氏は 「血清RFまたはACPA陽性回帰性リウマチの症状コントロール、 およびRAへの進展予防において、 アバタセプトはヒドロキシクロロキンよりも有効である」 と報告した。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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