海外ジャーナルクラブ
1年前
Brastianosらは、 乳頭状頭蓋咽頭腫の患者を対象に、 ベムラフェニブ+cobimetinibによるBRAF・MEK阻害薬併用療法の安全性と有効性を単群第Ⅱ相試験で検討。 その結果、 ベムラフェニブ+cobimetinib併用療法により、 16例中15例に部分奏効以上の効果が認められた。 本研究はNEJM誌において発表された。
放射線治療後の再発性の頭蓋咽頭腫に対しても本治療薬の効果が検討されているようですので研究結果が期待されます。
ベムラフェニブ
下垂体-視床下部軸の原発性脳腫瘍である頭蓋咽頭腫は、 臨床的に重大な後遺症を引き起こすことがある。 手術、 放射線、 またはその両方を用いた治療はしばしば、 視力低下、 神経内分泌機能障害、 および記憶喪失に関連する重大な罹患率を伴う。 遺伝子型解析により、 頭蓋咽頭乳頭腫の90%以上がBRAF V600E遺伝子変異を有することが示されているが、 放射線療法を受けたことのない頭蓋咽頭乳頭腫患者におけるBRAF-MEK阻害の安全性および有効性に関するデータは不足している。
BRAF遺伝子変異陽性の頭蓋咽頭乳頭腫を有し、 過去に放射線療法を受けておらず、 測定可能な病変を有する患者
ベムラフェニブ+ cobimetinibを28日サイクルで投与
4カ月時点の客観的奏効
試験に参加した16例の患者のうち、 15例 (94%) が持続的な客観的部分奏効以上を示した
追跡期間
追跡期間中央値:22カ月 (95%CI 19-30カ月)
治療サイクル数
治療サイクル数中央値:8サイクル
腫瘍体積減少
腫瘍体積減少の中央値:91% (範囲 68-99%)
無増悪生存率
3例の患者は治療中止後の病勢進行があったが、 死亡した患者はいなかった。 奏効しなかった唯一の患者は、 毒性作用により8日後に治療を中止した。
グレード3の有害事象
6例の患者の発疹を含む12例の患者に発生した。
グレード4の有害事象
有害事象による治療中止
3例の患者が有害事象により治療を中止した。
乳頭状頭蓋咽頭腫患者を対象としたこの単群試験では、 ベムラフェニブ+cobimetinib併用療法により、 16例中15例に部分奏効以上の効果が認められた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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