KIWI (炎症性腸疾患)
5日前

経口投与が可能なα4β7インテグリン阻害薬の臨床試験が進み、 注目を集めています。 本稿では、 2026年3月に第23回KIWIで紹介されたα4β7インテグリン阻害薬に関する論文と専門医の見解をご紹介します。
KIWI (Kitasato Institute Webinars on IBD) は、 炎症性腸疾患 (IBD) にまつわるトピックについての教育的なコンテンツをインターネットでライブ配信するウェビナーです。 IBD専門医だけでなく看護師、 薬剤師など、 全ての医療従事者を対象に、 さまざまなレベルの内容を2ヵ月に1回、 ゲストを招き、 対談形式にレクチャーを交えてライブ配信します。

【日時】2026年3月17日(火) 19:00~20:30
【テーマ】Best of 2025 (番外編)
【ホスト】小林 拓
【ゲスト】松浦 稔先生* 松岡 克善先生** 新崎 信一郎先生***
α4β7インテグリン阻害はIBDの炎症を制御する有効な治療戦略として確立されている。 実臨床では抗α4β7インテグリン抗体であるベドリズマブが広く用いられているが、 静脈内投与または皮下投与を要する。
また、 経口投与可能なα4インテグリン阻害薬であるカロテグラストメチルが潰瘍性大腸炎 (UC) を適応として国内承認されているものの、 1日24錠の服用が必要であり、 患者負担の観点から課題が残る。
こうした背景のもと、 α4β7インテグリンを特異的に阻害し、 かつ経口投与が可能なMORF-057が開発されている。

対象・方法
中等症~重症の活動期UC患者を対象とした海外多施設共同第Ⅱa相非盲検単群試験 (EMERALD-1)。 経口α4β7インテグリン阻害薬MORF-057 (100mgを1日2回投与) の52週間 (導入期 [12週間] および維持期 [40週間]) における有効性および安全性を評価した。
メインコホート (35例) のほか、 ベドリズマブ不耐容または二次無効例からなる探索的コホート (4例) が設けられた。 主要評価項目は、 Robarts Histopathology Index (RHI) スコアのベースラインから12週時までの変化量であった。 その他、 臨床的・内視鏡的・組織学的指標が、 スクリーニング時、 12週時および52週時に評価された。
試験の主な結果
メインコホートにおいて、 RHIスコアのベースラインから12週時までの変化量は-6.4 (標準偏差 11.2) であり、 ベースライン時と比べて有意な改善が認められた (p=0.0019)。
RHI寛解*¹率は12週時で22.9%、 52週時で31.4%、 修正Mayoスコアに基づく臨床的寛解率はそれぞれ25.7%、 20.0%であった。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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