海外ジャーナルクラブ
12日前

九州大学大学院呼吸器内科学分野の白石祥理氏らの研究グループは、 進行非扁平上皮非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 抗PD-L1抗体アテゾリズマブ+カルボプラチン+ペメトレキセド (APP) への抗VEGF抗体ベバシズマブ追加の有効性および安全性を、 非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験APPLEの最終全生存期間 (OS) 解析で評価した。 その結果、 APPへのベバシズマブ追加によるOSの改善は認められなかった。 本研究はLung Cancer誌において発表された。
ドライバー遺伝子変異陽性集団や感受性EGFR遺伝子変異陽性集団の症例数が少なく、 サブグループ解析も探索的であったため、 正式な統計学的検定を行えなかった点はlimitationです。
第Ⅲ相APPLE試験の主解析では、 無増悪生存期間 (PFS) においてAPP+ベバシズマブ (APPB) 群のAPP群に対する優越性が実証されなかった一方で、 EGFR遺伝子変異を含むドライバー遺伝子変異陽性患者のサブグループ解析では、 APPB群でPFSの数値的な延長傾向が示唆された。
進行NSCLC患者412例が以下の2群に1 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目はPFS、 副次評価項目はOS、 安全性などであった。
本研究では、 同試験の3.5年間にわたる長期追跡調査に基づく最終OS解析結果が報告された。
412例のうち411例がintention-to-treat (ITT) 集団として解析された。 内訳は、 ドライバー遺伝子変異陰性が287例、 ドライバー遺伝子変異陽性が124例であった。
OS中央値は、 APPB群が28.0ヵ月、 APP群が25.7ヵ月であり、 両群間で有意差は認められなかった (HR 0.88 [95%CI 0.70-1.10])。
サブグループ解析におけるOS中央値は、 ドライバー遺伝子変異陰性集団ではAPPB群が27.6ヵ月、 APP群が27.8ヵ月 (HR 0.96 [95%CI 0.73-1.27])、 ドライバー遺伝子変異陽性集団ではそれぞれ28.0ヵ月、 20.8ヵ月であった (HR 0.71 [95%CI 0.47-1.08])。 いずれも両群間で有意差は認められなかったものの、 ドライバー遺伝子変異陽性集団ではAPPB群で数値的に良好な傾向が認められた。
新たな安全性シグナルは検出されなかった。
著者らは 「進行非扁平上皮NSCLC患者において、 APPへのベバシズマブ追加によるOSの改善は認められなかった。 一方でドライバー遺伝子変異陽性集団では、 ベバシズマブ追加によるOSが良好な傾向を示しており、 分子標的療法後の治療選択肢となる可能性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。