HOKUTO編集部
12日前

2026年6月5~8日に開催された米国糖尿病学会 (ADA 2026) で発表された演題から、 特に注目すべき発表を小森田祐二先生に解説いただきます。
CagriSemaは、 食欲・血糖・体重を調整するアミリンアナログcagrilintideと、 GLP-1受容体作動薬セマグルチドの配合剤である。 相補的な機序で血糖と体重の両方を狙う。 週1回皮下注射で投与する。
ADA 2026では、 2型糖尿病の治療強度別に検証した3件の第III相試験 (REIMAGINE 1~3) が発表され、 Lancet誌などに同時掲載された。
「治療終了後も寛解維持」 が増加
食事・運動療法のみで血糖管理が不十分な早期2型糖尿病189例 (罹病期間中央値1.4年) を対象に、 CagriSemaとプラセボを40週間比較。
CagriSema2.4mg群では、 HbA1cが1.8%低下 (プラセボ群0.1%) し、 体重は13.8%減少した (プラセボ群1.4%)。 また、 治療終了12週後も正常血糖を保つ 「寛解」 基準*を達成した割合はCagriSema群で53%、プラセボ群で20%だった。
セマグルチドより体重減、 血糖・体重の複合目標達成も上回る
メトホルミン±SGLT2阻害薬で管理が不十分な2型糖尿病2,713例を対象に、 CagriSemaとセマグルチドを68週間比較。
CagriSema2.4mg群は、 HbA1c低下量でセマグルチド2.4mg群に対する優越性を示し (1.91%㌽低下 vs 1.75%㌽低下、 差0.16%㌽)、 体重減少率でも上回った (14.2%減 vs 10.2%減)。
HbA1c6.5%以下かつ体重10%以上減の複合目標達成率は、 CagriSema群で57.3%、 セマグルチド群で40.0%だった*。
インスリン使用中でもHbA1c 2%超減、 低血糖は増加せず
基礎インスリン±メトホルミンで管理が不十分な2型糖尿病274例 (罹病期間平均約15年、 平均年齢59歳) を対象に、 プラセボと40週間比較。
CagriSema 2.4mg群では、 HbA1cが2.33% (プラセボ群0.66%) 低下した。 また、 重症低血糖は認めず、 臨床的に有意な低血糖の発現率もプラセボと同等であった。
ADA 2026で発表されたCagriSemaに関する臨床試験の特徴は、 2型糖尿病の 「ステージ別」 エビデンスが一気に揃った点だと思います。
食事運動のみ・経口薬・基礎インスリンという、 外来で実際に遭遇する場面それぞれで有効性が高いことが示されました。 罹病期間1~2年の早期例から約15年のインスリン併用例までで 「低血糖を増やさない」 と 「HbA1cを約2%低下させる」 が両立した点は、 適応の幅広さを物語っています。
機序としては、 セマグルチドの血糖・食欲への作用に、 cagrilintide (アミリン) の満腹感・胃排出遅延・グルカゴン抑制が、 セマグルチドに積み増す形で効いていると考えられます。
日本人にとって特に重要なCagriSemaの試験に、 ADAに先んじて論文発表されたREDEFINE 5¹⁾があります。 欧米より低BMIの東アジア集団 (97%が日本人、 平均BMI 34.1) でも体重18.4%減と高い有効性を示しました。 日本ではすでにセマグルチド2.4mg (ウゴービ®︎) が肥満症に保険適用されていますが、 CagriSemaはその 「一段上」 を担い得ます。
REIMAGINE 2・3でも日本人が組み込まれており、 糖尿病領域でも国内データが蓄積されつつあります。
臨床試験の結果だけをみると、 チルゼパチドと同等の減量・血糖改善が期待されますが、 もちろん直接比較はありません。 GLP-1にGIPを足したチルゼパチドか、 アミリンを足したCagriSemaか、 実際に使用してみないと、 食欲抑制効果の体感や副作用については不明な点が多いです。
ただし、 第III相試験に日本人が組み入れられているものが多く、 日本でも2型糖尿病、 肥満症を対象に参入する可能性が高い気がします。

<出典>
1) Lancet Diabetes Endocrinol. 2026 Jun;14(6):450-462.
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REIMAGINE 1 / REIMAGINE 2 / REIMAGINE 3
【Lancet】配合剤CagriSema、 2型DMでHbA1c低下かつ体重減少

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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