海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Kutsunaらは、 日本におけるレジオネラ肺炎の入院患者を対象に、 その疫学的特徴と院内死亡の関連因子を後ろ向きコホート研究で検討した。 その結果、 日本におけるレジオネラ肺炎の院内死亡率は6.4%と高く、 特に冬季入院や併存疾患により死亡リスクが増加することが示された。 本研究は、 J Epidemiol誌において発表された。
DPCデータ解析には限界があり、 死亡と最も関連するはずの肺炎の重症度が不明です (意識レベルのみ調整されています)。 本研究結果をどのように実臨床に応用するのか、 臨床論文としてはその部分が最も気になるところです。
レジオネラ肺炎は、 レジオネラ菌によって惹起される重症肺炎であり、 日本におけるその疫学的特徴、 特に季節的傾向、 重症化の危険因子、 致死率について明らかでない。
2011年4月~21年3月に、 全国1,140施設のDPCデータベースに登録されたレジオネラ肺炎による入院患者 : 7,370例
性、 入院時の年齢、 BMI、 意識レベル、 喫煙状況、 併存疾患 、 入院の暦日、 救急車の利用などのデータを収集し、 多変量ロジスティック回帰分析を行い、 院内死亡の予後因子を探索した。
6.4% (7,370例中469例)
全てp<0.001
著者らは、「日本におけるレジオネラ肺炎入院患者の院内死亡率は6.4%と高く、 冬季入院やうっ血性心不全、 がん転移などが転帰不良の危険因子であることが示唆された。 レジオネラ肺炎の予後因子間の複雑な相互作用を理解するためには、 さらなる研究が必要である」と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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