海外ジャーナルクラブ
4ヶ月前
Roddieらは、 再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病 (ALL) 成人患者を対象に、 抗CD19 CAR-T療法obecabtagene autoleucel (obe-cel) の有効性と安全性を多施設共同第Ib相試験FELIXで検討した。 その結果、 obe-celは高い奏効率と低い毒性リスクを示すことが明らかとなった。 試験結果はNew England Journal of Medicine誌で発表された。
考察はNEJMらしく、 簡潔に述べられています。 研究成果をどのように捉えるのかを読者に投げかけている点が、 5大雑誌の中でNEJMは異質です。
Obecabtagene Autoleucel (obe-cel) は、 自家41BB-ζ抗CD19キメラ抗原受容体 (CAR) T細胞療法であり、 毒性を抑えながら効果を持続させるため中等度の親和性のCARを用いている。
本試験は、 再発または難治性の成人B細胞性ALL患者を対象に、 obe-celの有効性と安全性を評価すべく実施された。
再発または難治性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病成人患者153例を以下の2つのコホートに分け、 両コホートの患者にobe-celを投与した。
主要評価項目は、 コホート2Aの総寛解率 (完全寛解または血液学的回復が不完全な完全寛解) とした。
コホート2A (94例、 追跡期間中央値20.3ヵ月) における総寛解率は77%であった (95%CI 67-85%)。 このうち完全寛解が55%、 血液学的回復が不完全な完全寛解が21%であった (それぞれ95%CI 45-66%、 14-31%)。
また、 obe-celを1回以上投与した患者127例 (追跡期間中央値21.5ヵ月) の成績は以下の通りであった。
Grade 3以上の免疫関連毒性発現率は、 サイトカイン放出症候群が2.4%、 免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) が7.1%であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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