海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Linらは、 症候性めまいを有する患者を対象に、 症候性めまいと全死因死亡および原因別死亡との関連をコホート研究で検討した。 その結果、 症候性めまいは全死因死亡、 糖尿病による死亡、 心血管疾患による死亡、 癌による死亡のリスク増加と関連していた。 本研究は、 JAMA Otolaryngol Head Neck Surg誌において発表された。
めまいの詳細な診断が気になりますが、 めまい症状と死亡率増加の関連を検討した衝撃的な研究と言えます。 早期介入の効果など、 続編が大きく期待されます。
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めまいは幅広い原因によって生じる、 非常に有病率の高い愁訴である。 一方で、 症候性めまいおよびそのさまざまな症状が全死因死亡率および原因特異的死亡率とどのように関連しているかどうかは不明である。
対象 過去12ヵ月以内にめまい、 平衡感覚、 転倒、 体位性めまいなどの症候性めまいに関する質問に回答した40歳以上の成人患者 : 9,000例
主要評価項目 全死因死亡および原因別 (心血管疾患、 糖尿病、 癌、 予期せぬ傷害) の死亡
全死因死亡率
追跡調査期間中央値16.2年で、 症候性めまい(+)の方が、 全死因死亡率が高かった。
原因別死亡率との関連
症候性めまいは糖尿病、 心血管疾患、 癌による死亡リスクの増加と関連していた。
平衡感覚異常および転倒と死亡の関係
それぞれ全死因死亡、 心血管死亡、 糖尿病による死亡リスクの増加と関連していた。
■全死因死亡
■心血管死亡
■糖尿病による死亡
Lin氏らは、 「症候性めまいは全死因死亡率、 糖尿病死亡率、 心血管疾患死亡率、 癌特異的死亡率のリスク増加と関連していた。 症候性めまいが死亡率に寄与する基礎的な健康状態を示しているのか、 あるいは平衡失調や転倒に対する早期介入によって死亡リスクを低下させることができるのかを明らかにするためには、 今後の研究が必要である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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