海外ジャーナルクラブ
2日前

Thomsonらは、 英国の局所進行中咽頭扁平上皮癌患者を対象に、 強度変調陽子線治療 (IMPT) と強度変調放射線治療 (IMRT) が晩期の身体機能および生活の質 (QOL) に及ぼす影響を多施設共同第Ⅲ相無作為化比較試験TORPEdOで評価した。 その結果、 晩期の胃瘻依存、 身体的QOLスコア、 局所領域制御率および全生存 (OS) 率においてIMPTとIMRTは同等であった。 本研究はLancet誌において発表された。
死亡例・再発例を除外し、 12ヵ月時点で無再発の患者のみを解析対象とした修正ITT解析である点は、 本研究の限界です。
中咽頭癌への陽子線治療、 IMRTに対しPFS非劣性かつ低毒
中咽頭扁平上皮癌患者への身体機能やQOLに及ぼす影響において、 IMPTのIMRTに対する臨床的ベネフィットは依然として不明である。
そこでTORPEdO試験では、 IMPTとIMRTの間で、 晩期の機能的転帰、 患者報告アウトカム、 疾患制御、 および生存転帰を比較評価した。
英国の国民保健サービス (NHS) 関連20施設において、 局所進行中咽頭扁平上皮癌患者205例が以下の2群に2 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は、 12ヵ月時の胃瘻依存または重度の体重減少 (ベースラインから20%以上減少)、 およびUW-QoL身体的複合スコア (唾液、 味覚、 咀嚼、 嚥下、 発話、 外見) の平均値であった。
対象患者のうち48%でT3またはT4病変、 22%で両側頸部リンパ節転移 (N2c) が認められた。 80%が男性、 20%が女性であり、 人種情報は86%で得られ、 その94%は英国系白人であった。
12ヵ月時の胃瘻依存は、 IMPT群119例中2例 (2%)、 IMRT群59例中1例 (2%) に認められ、 重度の体重減少はIMPT群110例中20例 (18% [97.5%CI 11-28])、 IMRT群53例中3例 (6% [97.5%CI 1-17]) に認められた (統合OR 2.80 [97.5%CI 0.75-10.4]、 p=0.079)。
12ヵ月時のUW-QoL身体的複合スコア平均値は、 IMPT群が78.3、 IMRT群が77.1であった (群間差 1.3 [97.5%CI -3.7-6.2]、 p=0.56)。
追跡期間中央値28.3ヵ月 (四分位範囲 26.5-39.3ヵ月) 時における24ヵ月時の局所領域制御率は、 IMPT群が94% (99%CI 86-98%)、 IMRT群が97% (99%CI 82-100%) であった (HR 2.6 [99%CI 0.3-20.3、 95%CI 0.5-12.4]、 p=0.24)。
24ヵ月時のOS率は、 IMPT群が95% (99%CI 86-98%)、 IMRT群が95% (99%CI 81-99%) であった (HR 1.6 [99%CI 0.3-8.8、 95%CI 0.4-5.9]、 p=0.47)。
重篤な有害事象 (AE) が12例の患者に14件認められた。 9件 (IMPT群 4件、 IMRT群 5件) は治療と無関係と評価され、 5件 (IMPT群 1件、 IMRT群 4件) は治療関連であった。 最も多かったAEは急性腎障害 (5件 [36%]) および血栓塞栓症 (4件 [29%]) であった。 治療関連死は認められなかった。
著者らは 「IMPTとIMRTは、 晩期の胃瘻依存、 身体的QOLスコア、 局所領域制御率およびOS率において同等であった。 中咽頭扁平上皮癌に対してIMPTが日常診療でルーチンに使用されていない医療環境においては、 IMRTが依然として標準治療である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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