【Int J Cancer】サイアザイド系利尿薬の併用でICI誘発心筋炎のリスク増加
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Int J Cancer】サイアザイド系利尿薬の併用でICI誘発心筋炎のリスク増加

【Int J Cancer】サイアザイド系利尿薬の併用でICI誘発心筋炎のリスク増加
Mitsuboshiらは、 利尿薬の併用が免疫チェックポイント阻害薬 (ICI) 誘発心筋炎に及ぼす影響を横断研究で検討。 その結果、 特にサイアザイド系利尿薬の併用がICIによる治療を受けた患者の心筋炎のリスク増加と関連していることが明らかとなった。 本研究はInt J Cancer誌において発表された。 

📘原著論文

Association between immune checkpoint inhibitor-induced myocarditis and concomitant use of thiazide diuretics. Int J Cancer. 2023 Jun 12. PMID: 37306521

👨‍⚕️監修医師のコメント

観察研究による仮説の提唱です。 型のごとくsuggest,mayを使用した弱い結論となっています。 

our findings from disproportionality analysis suggest that thiazides may further increase the risk of myocarditis in patients receiving ICIs.

背景

利尿薬と心筋炎との関連は報告されているが、 ICIによる心筋炎のリスクが利尿薬の併用によって影響を受けるかどうかは不明である。

研究デザイン

対象

2022年12月までにICIを受けた患者:9万611例 (うち心筋炎975例)

データソース:VigiBaseデータベース

方法

  • ICIを投与されている患者におけるさまざまな利尿薬による心筋炎のリスクを評価するために、 不均衡性分析とファーマコビジランスデータベースを用いた。
  • ICIを投与された患者における心筋炎のリスク因子を同定するために、 多重ロジスティック回帰分析を行った。

研究結果

不均衡分析

不均衡分析の結果、 ICIを受けた患者におけるループ利尿薬の使用で心筋炎のリスクが増加した (報告OR 1.47、 95%CI 1.02-2.04、 P=0.03)。 これはサイアザイド系利尿薬の使用においても観察された (報告OR 1.76、 95%CI 1.20-2.50、 P<0.01) で観察された。

多重ロジスティック回帰分析

多重ロジスティック回帰分析の結果、 サイアザイド系利尿薬の使用 (OR 1.67、 95%CI 1.15-2.34、 P<0.01) は、 ICIを受けた患者における心筋炎のリスク増加と関連していた。

結論

ICIを受けている患者における心筋炎のリスクを予測するのに役立つと思われる。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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