海外ジャーナルクラブ
2年前
Partridgeらは、 ホルモン受容体陽性の早期乳癌患者を対象に、 妊娠を試みるための術後補助内分泌療法の一時的中断について単群試験で検討。 その結果、 術後補助内分泌療法を一時的に中断しても、 遠隔再発を含む乳癌イベントの短期リスクは、 対照群に比べて高くなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。
研究にlimitationはつきものですが、 その表現が次のように記載されています。 Limitations and challenges of the current trial should be considered.NEJMでの表現であることから、 このchallengesという言葉が今後使われるようになるように思います。 やはり癌研究なので3年ではなく、 もう少し長期アウトカムが知りたいところです。
早期乳癌の治療後に妊娠を希望する女性は多いが、 治療の一部として行われる内分泌療法の中断が再発リスクにどのように影響するかについては、 十分なデータが存在していない。
ステージI-Ⅲの乳癌の患者で、 18~30カ月間術後補助内分泌療法を受けたことがあり、 妊娠を希望する42歳以下の女性。
術後補助内分泌療法の一時的中断。
追跡期間中の乳癌イベント (浸潤性乳癌の局所、 局所、 遠隔再発または新たな対側浸潤性乳癌) の発生件数。
妊娠状況を追跡調査した497例の女性のうち、 74.0% (368例) が少なくとも1回妊娠し、 63.8% (317例) が少なくとも1回生児を出産した。
1,638人年の追跡調査 (追跡期間中央値41カ月) で、 44例の患者に乳癌イベントが発生した。
早期乳癌の既往がある女性で、 妊娠を試みるために内分泌療法を一時的に中断した場合でも、 短期の乳癌イベントリスクは対照コホートに比べて高まらなかった。 長期的な安全性を確認するためには、 さらなる追跡が必要である。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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