海外ジャーナルクラブ
5ヶ月前

Paul McGaleらは、 早期浸潤性乳癌患者を対象に、 二次癌 (非乳癌および対側乳癌) の長期リスクを観察コホート研究で検討した。 その結果、 二次癌リスクは一般人口と比べてわずかに上昇し、 特に若年女性において対側乳癌のリスクが高いことが明らかとなった。 本研究はBMJ誌において発表された。
本研究では腫瘍・リンパ節病期や診断年代による影響、 薬剤治療の変化と関連する発生率の低下を新たに示し、 さらに絶対リスク差を定量化して臨床的な現実性を高めた点が特徴です。
本論文の目的は、 イングランド国立癌登録分析サービスから日常的に収集されたデータを用いた人口ベース観察コホート研究により、 早期浸潤性乳癌の初回手術後、 乳癌以外の二次原発癌もしくは対側乳癌の長期リスクを記述することである。
本研究の対象は、 1993年1月~2016年12月 (2021年10月まで追跡) にイングランドで初発浸潤性乳癌と登録された女性47万6,373例であった。 主要評価項目は、 一般人口と比較した、 二次癌 (非乳癌および対側乳癌) の発症率と累積リスクであった。
追跡期間中に6万4,747例が二次原発癌を発症したが、 一般人口と比較した絶対過剰リスクは小さいことが判明した。 20年時点で非乳癌は13.6% (95%CI 13.5-13.7%) に発症し、 一般人口予想値より2.1% (95%CI 2.0-2.3%) 多かった。 対側乳癌は5.6% (95%CI 5.5-5.6%) に発症し、 一般人口予想値より3.1% (95%CI 3.0-3.2%) 多かった。 対側乳癌の絶対過剰リスクは若年女性でより大きかった。
非乳癌では、 子宮癌、 肺癌における20年絶対過剰リスクが最大であった。 子宮、 軟部組織、 骨・関節、 唾液腺の癌や急性白血病では標準化発生比が一般人口の1.5倍以上であったが、 20年絶対過剰リスクはいずれも<1%であった。
補助療法との関連では、 放射線療法は対側乳癌と肺癌リスク増加、 内分泌療法は子宮癌リスク増加、 対側乳癌リスク減少、 化学療法は急性白血病リスク増加と関連していた。 また、 軟部組織、 頭頸部、 卵巣、 胃癌では、 これまでの臨床試験では観察されなかった、 新たな正の関連が示唆された。 全6万4,747例の二次癌のうち約2%、 1万5,813例の過剰二次癌のうち約7%が補助療法に起因すると推定された。
著者らは、 「早期浸潤性乳癌治療を受けた女性における二次原発癌のリスクは、 一般女性集団よりわずかに高かった。 対側乳癌が全体増加の約60%を占め、 若年女性でリスクが高かった。 補助療法に関連するリスクは小さかった」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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