海外ジャーナルクラブ
10ヶ月前
Luらは、 切除可能なstageⅡまたはⅢの非小細胞肺癌 (NSCLC) 患者を対象に、 プラチナ製剤ベースの化学療法に抗PD-1抗体toripalimabを併用した際の有効性を二重盲検無作為化プラセボ対照第Ⅲ相試験Neotorchで検討した。 その結果、 toripalimabの併用により無イベント生存期間 (EFS) が有意に改善された。 本研究は、 JAMA誌において発表された。
JAMAシリーズではなく(JAMA Oncologyなど)、 JAMAに掲載される臨床的意義は極めて大きいです。 本研究成果がガイドラインなどの治療方針決定の根拠になります。
術後療法および術前療法は早期NSCLC患者の臨床転帰を改善してきたが、 免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の最適な併用法は不明である。
切除可能なstage ⅡまたはⅢのNSCLC患者
患者は以下の群に1 : 1の割合で無作為に割り付けられた。
Toripalimab群
プラセボ群
無イベント生存期間 (EFS)、 病理学的奏効
病理学的完全奏効 (pCR) 率、 有害事象
<主要評価項目>
EFS中央値
-Toripalimab群 : 評価不能 (95%CI 24.4-NE)
-プラセボ群 : 15.1ヵ月 (同10.6-21.9)
HR 0.40 (同0.28-0.57、 p<0.001)
pCR率
-Toripalimab群 : 48.5% (41.4-55.6%)
-プラセボ群 : 8.4% (5.0-13.1%)
群間差40.2%㌽ (同32.2-48.1%㌽、 p<0.001)
<副次評価項目>
BIRCの盲検下判定によるpCR率
-Toripalimab群 : 24.8% (19.0-31.3%)
-プラセボ群 : 1.0% (0.1-3.5%)
群間差23.7% (同17.6-29.8%、 p<0.001)
免疫関連の有害事象の発現率
Toripalimab群 : 42.1%
プラセボ群 : 22.8%
Grade3以上の有害事象
Toripalimab群 : 63.4%
プラセボ群 : 54.0%
投与中止に至った治療有害事象
Toripalimab群 : 9.4%
プラセボ群 : 7.4%
致死的有害事象
Toripalimab群 : 3.0%
プラセボ群 : 2.0%
周術期化学療法にtoripalimabを追加することで、 切除可能なStage ⅢのNSCLC患者のEFSが有意に改善した。 また、 この治療の安全性プロファイルは管理可能であった。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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