高齢者への週1回インスリン 「アウィクリ」の留意すべき5項目、 糖尿病・老年医学会が推奨発表
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HOKUTO編集部

3日前

高齢者への週1回インスリン 「アウィクリ」の留意すべき5項目、 糖尿病・老年医学会が推奨発表

 高齢者への週1回インスリン 「アウィクリ」の留意すべき5項目、 糖尿病・老年医学会が推奨発表
日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会は4月18日、 高齢者における週1回持効型溶解インスリン製剤 (インスリン イコデク、 製品名 アウィクリ®注) の適性使用に向けた 「Recommendation」 を同学会公式サイトで発表した。 注射回数の削減により、 患者負担の軽減が期待されるインスリンイコデク。 特に、 ADLや認知機能が低下し自己注射が困難な高齢者においても、 家族や医療者のサポートにより血糖管理が可能になると期待されている。 一方で、 週1回投与という特性上、 投与調節の柔軟性に制限があり、 一部の患者では低血糖が重篤化する可能性もある。
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日本糖尿病学会 / 本老年医学会

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高齢者へのイコデク使用 5つの留意点

下記は、 Recommendationで示された5つの留意点を端的にまとめたものです。 全文あるいは詳細はRecommendationでご確認ください。

高齢者における使用に際してはカテゴリー分類を行った上で 「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」 に基づき目標値を設定する。 さらに高齢者は低血糖の症状が乏しく重症低血糖をきたしやすいことから、 「高齢者糖尿病治療ガイド」 「インスリン イコデク投与ガイド」 等を参考に、 下記につき留意する。

1.適切な治療目標を設定 : 重症低血糖の回避を最優先に

ADLや認知機能が低下した高齢者では、 高血糖緊急症や低血糖の回避が優先。 HbA1c目標は柔軟に設定し、 過度な厳格管理を避ける。

2.適切な血糖モニタリング : タイミングと体制構築が鍵

安全性の確保のため血糖測定が必要。 家族や介護者への教育と管理支援を徹底し、 必要に応じて持続血糖測定 (CGM) や遠隔モニタリングも検討する。 投与2-4日目の食前血糖値が用量調整の参考になる。

3.訪問看護や介護環境 : 慎重な計画と連携強化

訪問看護などに依存する患者では、 血糖変動を把握する機会が限られるため投与設計は慎重に。 訪問看護師や介護者との連携を強化し、 緊急時の対応手段を準備する。

4.感染症、 術前の血糖管理 : Basal-Bolus療法の考慮

適宜、 (超) 速効型インスリンを併用する。 Basalインスリンへの切り替え時は、 イコデクの最終投与から1~2週後に、 朝食前血糖が180mg/dLを超えた時点でイコデクの1/7量を開始する。

5.低血糖への対策 : 予防、 早期発見、 適切な対応

低血糖時の対応方法に習熟してもらう (必要に応じグルカゴン投与も含め)。 予定外の運動後や食事量や質にむらがある高齢者では慎重に適応を検討する。 持効型インスリンからの切り替え投与時のみ初回1.5倍増量は高齢者では必須ではなく、 2回目以降は増量を続けないように注意する。

高齢者糖尿病治療ガイドを閲覧する

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イコデクとは

イコデクは、 「インスリン療法が適応となる糖尿病」 を適応症として1月30日に発売された世界で初めてとなる週1回投与のBasalインスリン製剤。 半減期は約1週間で、 長時間作用が持続する。 皮下投与後、 イコデクは可逆的にアルブミンと結合するが、 緩徐にアルブミンから解離し、 インスリン受容体と結合して作用することで、 血糖降下作用が1週間にわたり持続する。

Basalインスリン製剤は、 生理的なインスリンの基礎分泌を補充する目的で糖尿病を有する患者の血糖管理に用いられ、 通常1日1回もしくは2回の皮下注射が必要となる。 イコデクは週1回皮下注射製剤のため、 従来のインスリン製剤よりも投与回数を大幅に減らすことができ、 利便性が高いだけでなく、 患者の心理的な治療負担の軽減により生活の質や治療実施率の向上が期待される。

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薬剤情報

アウィクリ注フレックスタッチ総量300単位

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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