海外ジャーナルクラブ
2年前
Ciardullo Sらは、 プロトンポンプ阻害薬 (PPI) の新規使用患者777,420名を対象に、 PPIの長期使用による糖尿病発症リスクの関係を検討するコホート内症例対照研究を実施. 結果、 PPIの定期的かつ長期的な使用は、 糖尿病の高いリスクと関連していることが明らかとなった. 本研究は、 J Clin Endocrinol Metab誌において発表された.
プロトンポンプ阻害薬 (PPI) の長期使用が代謝に影響を与えるかどうか議論がつづいている.
PPIを8週間未満使用した患者と比較した際の糖尿病発症オッズ比増加率
年齢、 性別、 臨床的状態で層別化した場合でも結果は一貫しており、 若年患者と臨床的に複雑な患者でより高いORが認められた. 感度解析で、 この相関の一貫性および頑健性が確認された.
これまでのビッグデータを用いた解析でも、 肺炎、 骨折、 CKD、 認知症、 偽膜性腸炎などとの関連性が指摘されてきました. 臨床現場でも、 PPIの不要な長期処方を避ける流れがあるように感じます. 偽膜性腸炎に関しては因果関係がある程度確立していますが、 その他に関しては観察研究レベルでまだ不明なものが多いようです. 今回の糖尿病についても、さらなる研究が望まれます.
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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