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海外ジャーナルクラブ

25日前

PPIの継続使用は糖尿病発症リスク上昇と関連か、 ビックデータより解析


Ciardullo Sらは、 プロトンポンプ阻害薬 (PPI) の新規使用患者777,420名を対象に、 PPIの長期使用による糖尿病発症リスクの関係を検討するコホート内症例対照研究を実施. 結果、 PPIの定期的かつ長期的な使用は、 糖尿病の高いリスクと関連していることが明らかとなった. 本研究は、 J Clin Endocrinol Metab誌において発表された.

背景

プロトンポンプ阻害薬 (PPI) の長期使用が代謝に影響を与えるかどうか議論がつづいている.

研究デザイン

  • 追跡対象:新たにPPIによる治療を受けた患者777,420名.
  • うち、 追跡期間中に糖尿病と診断された50,535名と、 年齢、 性別、 臨床状態でマッチさせた同数の対照群を解析した.

研究結果

糖尿病発症オッズ比の増加がみられた

PPIを8週間未満使用した患者と比較した際の糖尿病発症オッズ比増加率

  • 8週間~6ヶ月未満:19%↑ (15-24%)
  • 6ヶ月~2年未満:43%↑ (38-49%)
  • 2年以上の使用:56%↑ (49-64%)
年齢、 性別、 臨床的状態で層別化した場合でも結果は一貫しており、 若年患者と臨床的に複雑な患者でより高いORが認められた. 感度解析で、 この相関の一貫性および頑健性が確認された.

原著

Ciardullo S、 et al、Prolonged use of proton pump inhibitors and risk of type 2 diabetes: results from a large population-based nested case-control study. J Clin Endocrinol Metab. 2022 Apr 16;dgac231 PMID: 35428888

HOKUTO編集部コメント

これまでのビッグデータを用いた解析でも、 肺炎、 骨折、 CKD、 認知症、 偽膜性腸炎などとの関連性が指摘されてきました. 臨床現場でも、 PPIの不要な長期処方を避ける流れがあるように感じます. 偽膜性腸炎に関しては因果関係がある程度確立していますが、 その他に関しては観察研究レベルでまだ不明なものが多いようです. 今回の糖尿病についても、さらなる研究が望まれます. 

こちらの記事の監修医師
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聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
聖路加国際病院
救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

聖路加国際病院 救急部 清水真人先生
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救急部 清水真人先生

2013年慶應義塾大学医学部を卒業。初期臨床研修修了後、2015年聖路加国際病院救急部入局。就任間もなく聖路加ベストティーチャー賞を連続受賞。救急・集中治療、 医学教育を専門とする他、Webツールの医療現場での利用に精通し、 複数の雑誌で連載を行う。

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