HOKUTO編集部
5日前

日本、 韓国、 台湾において、 HER2陰性の切除不能進行または再発胃癌/胃食道接合部癌 (G/GEJ癌) 患者への1次治療として、 標準治療である抗PD-1抗体ニボルマブ (NIVO) +化学療法へのEP4拮抗薬ONO-4578の上乗せによる有効性および安全性を比較評価した国際多施設共同第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験ONO-4578-08の結果から、 無増悪生存期間 (PFS) の有意な改善が認められた。 韓国・Samsung Medical CenterのSung Hee Lim氏が発表した。 同試験の詳細は、 J Clin Oncol誌2026年6月1日オンライン版¹⁾に掲載された。
抗PD-1抗体+化学療法はHER2陰性G/GEJ癌の標準的1次治療である。
PGE₂-EP4シグナルは骨髄由来抑制細胞 (MDSC) やM2マクロファージの分化を誘導して免疫抑制的な腫瘍微小環境を形成し、 免疫療法への抵抗性に寄与するとされる。
EP4拮抗薬ONO-4578はこのPGE₂-EP4シグナルを阻害し、 抗PD-1抗体の有効性を高めることが期待されている。 先行した第Ⅰ相試験ではNIVOの上乗せによる効果増強が示唆されていた。
そこで第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験ONO-4578-08では、 NIVO+化学療法へのONO-4578上乗せによる治療転帰を評価した。
日本・韓国・台湾で実施された第Ⅱ相二重盲検無作為化比較試験ONO-4578-08において、 化学療法歴を有さず、 ECOG PS 0/1のHER2陰性切除不能進行・再発G/GEJ癌患者226例が以下の2群に2 : 1で無作為に割り付けられた。
主要評価項目は担当医師評価によるPFS、 副次評価項目は全生存期間 (OS)、 客観的奏効率 (ORR)、 安全性などであった。
追跡期間中央値8.5ヵ月におけるPFS中央値は、 ONO-4578群が9.0ヵ月 (95%CI 7.1–11.1ヵ月) であり、 プラセボ群の6.9ヵ月 (同4.4–8.4ヵ月) と比べて有意に改善した (HR 0.67 [90%CI 0.48–0.92]、 両側p=0.040) 。
ONO-4578群のPFSベネフィットは、 ほとんどのサブグループで一貫して認められた。 PD-L1 CPS別のサブグループ解析では、 PD-L1 CPS≧1のサブグループでベネフィットがより顕著であった。
最短追跡期間7.4ヵ月におけるOS中央値は、 ONO-4578群が未到達 (95%CI NR–NR)、 プラセボ群が12.7ヵ月(95%CI 10.4ヵ月–NR) であり、 ONO-4578群で良好であった (HR 0.60 [95%CI 0.37–0.96]、 データはimmature)。
PD-L1 CPS別のサブグループ解析では、 PD-L1 CPS≧1のサブグループでOSベネフィットがより顕著であった。
ORRは、 ONO-4578群が62.0% (95%CI 53.7–69.8%)、 プラセボ群が48.7%(95%CI 37.0–60.4%) であり、 ONO-4578群で良好であった (OR 1.72 [95%CI 0.98–3.00])。
ONO-4578群で多く認められた治療関連有害事象 (TRAE) は末梢性感覚ニューロパチー、 下痢、 悪心、 貧血、 食欲不振であった。 Grade3~5のTRAEはONO-4578群が59.7%、 プラセボ群が49.3%、 重篤なTRAEはそれぞれ34.2%、 25.3%であった。 PGE₂-EP4シグナルを阻害するONO-4578で懸念される消化管潰瘍はそれぞれ7.4%、 1.3%で認められた*。
Lim氏は 「治療歴を有さないHER2陰性切除不能進行・再発G/GEJ癌患者において、 NIVO+化学療法へのONO-4578上乗せでPFSの有意な改善が認められた。 また、 許容可能な安全性プロファイルを示し、 新たな安全性シグナルは検出されなかった。これらの結果は、 国際多施設共同第Ⅲ相無作為化比較試験でのONO-4578のさらなる評価を支持するものであった」 と報告した。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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