海外ジャーナルクラブ
8ヶ月前
Guptaらは、 シスプラチン初回投与を受けた患者を対象に、 14日以内に発症する重篤な急性腎障害 (CP-AKI) のリスクスコアを開発した。 その結果、 従来のモデルに比べ重篤なCP-AKIを高精度に予測可能であることが検証された。 本研究はBMJ誌にて発表された。
従来のモデルより精度がアップしているのは間違いないのですが、 多くの研究と同様に新規モデルは因子数も9変数と "格段に増加" しているので当然といえば当然の結果です。
これまでのモデルでは、シスプラチン投与後の重篤な急性腎障害 (CP-AKI) のリスクを十分に予測できておらず、 新たな評価法が求められていた。
本研究では 2006~2022年にシスプラチンの初回投与を受けた成人患者 2万4,717例を対象に、 新予測スコアの開発を検証が行われた。
- 開発コホート : 1万1,766例
- 検証コホート : 1万2,951例
多変量ロジスティック回帰モデルと多変量Coxモデルを用いた簡易リスクスコアを作成した。
CP-AKIの簡易予測リスク因子は以下の通り
その後、 Low Risk群と比較した、 Very High Risk群におけるCP-AKIリスクを検証した。
- 開発コホート : 24.00倍
- 検証コホート : 17.87倍
C統計量は従来より優れた識別能有り
主要モデルのC統計量は0.75と、 これまでに発表されたモデル (0.60-0.68) に比べ高く、 CP-AKI発症の識別が優れていた (DeLong p<0.001)
CP-AKI重症度と90日生存率が関連
CP-AKIの重症度が高いほど90日生存率は低い傾向が一貫して認められた (補正後HR 4.63 (95%CI 3.56-6.02)
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。