【BMJ】シスプラチン後の重症AKIを予測する新スコアを開発
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海外ジャーナルクラブ

8ヶ月前

【BMJ】シスプラチン後の重症AKIを予測する新スコアを開発

Guptaらは、 シスプラチン初回投与を受けた患者を対象に、 14日以内に発症する重篤な急性腎障害 (CP-AKI) のリスクスコアを開発した。 その結果、 従来のモデルに比べ重篤なCP-AKIを高精度に予測可能であることが検証された。 本研究はBMJ誌にて発表された。

📘原著論文

Derivation and external validation of a simple risk score for predicting severe acute kidney injury after intravenous cisplatin: cohort study. BMJ. 2024 Mar 27:384:e077169. PMID: 38538012

👨‍⚕HOKUTO監修医コメント

従来のモデルより精度がアップしているのは間違いないのですが、 多くの研究と同様に新規モデルは因子数も9変数と "格段に増加" しているので当然といえば当然の結果です。


新予測スコア作成の背景

リスク予測は従来モデルでは不十分

これまでのモデルでは、シスプラチン投与後の重篤な急性腎障害 (CP-AKI) のリスクを十分に予測できておらず、 新たな評価法が求められていた。

【BMJ】シスプラチン後の重症AKIを予測する新スコアを開発

2万4,717例を対象に作成・検証

本研究では 2006~2022年にシスプラチンの初回投与を受けた成人患者 2万4,717例を対象に、 新予測スコアの開発を検証が行われた。

 - 開発コホート : 1万1,766例
 - 検証コホート : 1万2,951例  

(1) 開発コホートで予測モデルを"作成"

多変量ロジスティック回帰モデルと多変量Coxモデルを用いた簡易リスクスコアを作成した。

※CP-AKIの定義:シスプラチン初回投与後14日以内のCre≧2倍、 または 腎代替療法を受けた場合

CP-AKIの簡易予測リスク因子は以下の通り

【BMJ】シスプラチン後の重症AKIを予測する新スコアを開発

>>簡易予測スコアの詳細と計算はこちら

文献を基に株式会社HOKUTOが作成・管理

(2) 検証コホートで予測モデルを"検証"

その後、 Low Risk群と比較した、 Very High Risk群におけるCP-AKIリスクを検証した。

 - 開発コホート : 24.00倍
 - 検証コホート : 17.87倍

C統計量は従来より優れた識別能有り

主要モデルのC統計量は0.75と、 これまでに発表されたモデル (0.60-0.68) に比べ高く、 CP-AKI発症の識別が優れていた (DeLong p<0.001)

CP-AKI重症度と90日生存率が関連

CP-AKIの重症度が高いほど90日生存率は低い傾向が一貫して認められた (補正後HR 4.63 (95%CI 3.56-6.02)

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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