西日本がん研究機構(WJOG)
1ヶ月前

「FLAG」は、 西日本がん研究機構 (WJOG) 消化器グループの若手会として2018年に発足しました。 がんセンターなどの腫瘍専門病院、 大学病院、 一般病院、 企業など、 さまざまなバックグラウンドを持った、 概ね45歳以下の医師で構成されております。 和気藹々とした雰囲気が特徴で、 それぞれが腫瘍医としてのスキルアップを目指し、 さまざまな活動を行っております。 今回は、 FLAGの代表を務める平田賢郎先生とメンバーの千田彰彦先生に、 その活動についてご寄稿いただきました。
WJOG消化器グループ若手会 「FLAG (Field to develop next Leaders Activating WJOG) 」 は、 消化器がん領域の若手臨床医・研究者が集い、 互いに刺激し合いながら“臨床試験をつくる楽しさ、 議論する楽しさ”を共有し、 次世代の臨床研究を生み出すことを目指すコミュニティです。
全国の消化器内科・外科・腫瘍内科の若手に加え、 統計家 (biostatistician) もメンバーとして参加しており、 現在は約70人の活気あるグループに発展しています。 シニア医師の力強いサポートのもと、 若手主体で立案された研究プロジェクトが実際に始動している点は、 FLAGならではの大きな特長です。

FLAGでは、 月1回のオンラインミーティングを軸に、 研究アイデアの磨き上げ、 試験デザインの検討、 統計・倫理の基礎から先端バイオマーカー解析まで、 多彩で実践的な議論が行われています。 特に、 統計家と臨床医が同じテーブルでプロトコールを組み立てていく経験は、 他では得られない貴重な学びとなっています。
また、 対面での勉強会や懇親会では、 診療科や地域の垣根を超えた交流が自然に広がり、 共同研究の始まりや将来につながる人的ネットワークの形成にもつながっています。 「臨床研究に興味はあるけれど、 最初の一歩を踏み出しにくい」 という若手にとって、 FLAGは安心して参加できる“入口”となるはずです。

FLAGで得られるのは知識やスキルだけではありません。 全国の仲間とともに“自ら研究を動かす”という経験は、 若いキャリアに確かな推進力を与えてくれます。 臨床研究に挑戦したい先生は、 ぜひFLAGの扉を叩いてください。 ともに消化器がん医療の未来を創り上げていきましょう。
私は、 腫瘍診療を学び始めて1年目 (医師6年目) に、 上司である平田賢郎先生の勧めを受け、 日進月歩で進化するがん診療をより深く体系的に学びたいと考え、 FLAGに参加しました。 当初は 「こんなことを言ったらバカにされるのではないか」 と発言をためらうこともありましたが、 FLAGでは建設的で温かい意見が多く、 次第に心理的な壁はなくなっていきました。 むしろ、 たくさん発言し、 失敗を経験しながら思考を深める過程そのものが、 一流の腫瘍内科医としての素養を育ててくれると実感しています。

FLAGでは、 日常診療で生じる“素朴な疑問”を出発点に、 臨床試験として具体化していくプロセスを実体験できます。 私自身、 臨床試験プロトコル作成演習であるBoot Camp (旧 : 虎の穴) を通して試験立案の過程を学ぶだけでなく、 胃癌3次治療以降のFTD/TPI+Nivolumab併用療法 (ANTIEqUE試験) を立案し、 実施に向けて準備中です。 多施設共同研究は一見ハードルが高く感じられますが、 各施設から多角的なフィードバックが寄せられ、 仲間とともに研究を育てていく喜びがあります。 がん専門施設、 大学病院、 市中病院といった垣根を越えて交流し、 共に前進していけることこそが、 FLAGの大きな価値だと感じています。
さらに、 FLAGには学会レビューや講演会など最新の知見に触れる機会が豊富に用意されています。 今年は、 ドイツの臨床試験グループであるAIOとの英語によるプレゼンテーションを担当し、 活発なディスカッションを行いました。 この経験は、 国際的な舞台で臨床研究を推進していく上で、 非常に貴重な学びとなりました。

最後にお伝えしたいのは、 がん診療と臨床試験は本当に楽しいということです。 「詳しいことはよくわからないけれど、 消化器腫瘍に興味がある」 という方にこそ、 ぜひFLAGに参加していただきたいと思っています。

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。