海外ジャーナルクラブ
6ヶ月前

Barnardらは、 新たに診断された焦点てんかん患者を対象に、 抗てんかん薬 (ASM) の治療反応性・抵抗性およびその予測可能性を海外の前向き観察コホート研究Human Epilepsy Projectで検討した。 その結果、 多くで発作消失には1年以上および複数のASMを要し、 治療前の発作頻発、 精神疾患の併存が治療抵抗性の予後因子として同定された。 本研究はJAMA Neurol誌において発表された。
この研究は、 抗てんかん薬の詳細や服薬アドヒアランスといった重要な因子が考慮されておらず、 結果の解釈には一定の限界があります。
てんかんは世界で約6,500万人に影響を及ぼし、 その60%が焦点発作を有する。 焦点てんかん患者におけるASMの治療反応性・抵抗性の予測は依然として困難である。
そこで前向き観察コホート研究Human Epilepsy Projectでは、 焦点てんかん患者に対するASMの治療反応性・抵抗性およびその予測可能性を評価した。
米国、 オーストラリア、 ヨーロッパの三次てんかんセンター34施設において、 12~60歳で新規に診断され、 ASM治療開始後4ヵ月以内の焦点てんかん患者448例 (女性 267例、 年齢中央値 32歳 [四分位範囲 21-44歳]) を最長6年間追跡した。
主要評価項目は発作の消失であり、 12ヵ月間または治療前の最長発作消失期間の3倍のいずれか長い期間、 発作がない状態と定義された。 治療反応は以下のように分類された。
追跡期間中央値3.13年 (四分位範囲 2.33-3.55年) において、 全体の59.6%が発作消失を達成し、 そのうち83.5%で再発が認められなかった。
治療感受性患者は245例 (54.7%)、 治療抵抗性患者は102例 (22.8%)、 未確定患者は101例 (22.5%) であった。
治療感受性患者においては、 89.3%が単剤療法に反応し、 49.4% (全体の27%) が最初のASMで発作消失を達成した。
治療開始1年時において、 全体の63%が発作の持続または悪化を示した。 初回発作消失までの期間中央値は12.1ヵ月 (95%CI 9.7-16.1ヵ月) であった。
再発しなかった患者 (期間中央値 2.2ヵ月 [95%CI 0.8-3.2ヵ月]) では、 再発した患者 (期間中央値 7.4ヵ月 [95%CI 4.0-10.7ヵ月]) と比べて早期に発作消失が認められた。
治療前の発作頻度が低かった患者は、 頻発していた患者と比べて治療抵抗性となるリスクが0.41倍であった (相対リスク [RR] 0.41 [95%CI 0.18-0.89]、 p=0.03、 Hardin–Beck補正後p=0.02)。
自己申告による精神疾患の併存を有する患者は、 併存がない患者と比べて治療抵抗性となるリスクが1.78倍高かった (RR 1.78 [95%CI 1.26-2.52]、 p=0.001)。
著者らは 「新規に診断された焦点てんかん患者の多くは、 発作消失までに1年以上および複数のASMを要した。 また、 治療前に発作が頻発していた患者では治療抵抗性を早期に同定できる可能性があり、 またてんかん診断時に精神疾患の併存歴は重要な予後因子である」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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