【CHAARTED試験】前立腺癌に対するドセタキセル
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HOKUTO編集部

1年前

【CHAARTED試験】前立腺癌に対するドセタキセル

【CHAARTED試験】前立腺癌に対するドセタキセル
ホルモン感受性の転移性前立腺癌患者において、 アンドロゲン除去療法 (ADT) とドセタキセル (DTX) 併用療法の効果を、 ADT単独療法を対照に検証した第Ⅲ相比較試験CHAARTEDの結果より、 高腫瘍量の患者における全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

原著論文

▼中間解析結果

Chemohormonal Therapy in Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer. N Engl J Med. 2015 Aug 20;373(8):737-46. PMID: 26244877

▼追跡結果

Chemohormonal Therapy in Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: Long-Term Survival Analysis of the Randomized Phase III E3805 CHAARTED Trial. J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087. PMID: 29384722

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CHAARTED試験の概要

対象

ホルモン感受性の転移性前立腺癌患者

方法

921例を以下の2群に1:1で割り付けた。

  • ADT+ドセタキセル群 (397例)
ドセタキセル 75mg/m²を3週毎に6サイクル投与
  • ADT単独群 (393例)

高腫瘍量 (内蔵転移および/または4個以上の骨転移があり、 少なくとも1つの転移組織は椎体および骨盤以外にあるもの) と低腫瘍量に分類

評価項目

主要評価項目

  • OS

副次評価項目

  • 6、 12ヶ月におけるPSA<0.2ng/mLの割合
  • 去勢抵抗性前立腺癌 (CRPC) 発症までの期間
  • 疾患進行までの期間
  • 安全性

CHAARTED試験の結果

患者背景

両群で同様であった。

OS中央値

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:57.6ヵ月
  • ADT単独群:47.2ヵ月
HR 0.72 (95%CI 0.59-0.89)、 p=0.0018

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:51.2ヵ月
  • ADT単独群:34.4ヵ月
HR 0.63 (95%CI 0.50-0.79)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:63.5ヵ月
  • ADT単独群:未到達
HR 1.04 (95%CI 0.70-1.55)、 p=0.86

PSA<0.2ng/mLの割合 (6ヵ月時、 12ヵ月時)

  • ADT+ドセタキセル群:32.0%、 27.7%
p<0.001
  • ADT単独群:19.6%、 16.8%
p<0.001

CRPC発症までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:19.4ヵ月
(95%CI 16.8-22.6ヵ月)
  • ADT単独群:11.7ヵ月
(95%CI 10.8-14.4ヵ月)
HR 0.61 (95%CI 0.52-0.73)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:14.9ヵ月
(95%CI 12.4-17.2ヵ月)
  • ADT単独群:8.6ヵ月
(95%CI 6.8-10.5ヵ月)
HR 0.58 (95%CI 0.47-0.71)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:31.0ヵ月
(95%CI 23.1-51.1ヵ月)
  • ADT単独群:22.7ヵ月
(95%CI 18.9-29.1ヵ月)
HR 0.70 (95%CI 0.50-0.96)、 p=0.03

疾患進行までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:33.0ヵ月
(95%CI 29.1-40.9ヵ月)
  • ADT単独群:19.8ヵ月
(95%CI 17.8-22.5ヵ月)
HR 0.62 (95%CI 0.51-0.75)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:27.3ヵ月
(95%CI 21.9-32.7ヵ月)
  • ADT単独群:13.0ヵ月
(95%CI 11.1-17.2ヵ月)
HR 0.53 (95%CI 0.42-0.67)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:42.5ヵ月
(95%CI 34.0ヵ月-未到達)
  • ADT単独群:44.3ヵ月
(95%CI 28.9-66.5ヵ月)
HR 0.86 (95%CI 0.60-1.25)、 p=0.43

有害事象 (AE)

ADT+ドセタキセル群では、 Grade3-4のアレルギー反応が約2%、 Grade3の疲労が4%にみられ、 Grade3の下痢、 口内炎、 運動神経障害、 感覚神経障害がそれぞれ1%以下の割合でみられた。 また約6%で好中球減少性発熱がみられた。 

著者らの結論

ホルモン感受性の転移性前立腺癌患者において、 ADT+ドセタキセル群は、 ADT単独群と比較し、 高腫瘍量の患者でOSを有意に延長したが、 低腫瘍量の患者ではOSに対する有用性は認められなかった。

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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