【NEJM】solanezumabは前臨床期アルツハイマー病の認知機能の低下を抑制せず
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海外ジャーナルクラブ

7ヶ月前

【NEJM】solanezumabは前臨床期アルツハイマー病の認知機能の低下を抑制せず

【NEJM】solanezumabは前臨床期アルツハイマー病の認知機能の低下を抑制せず
Sperlingらは、 前臨床期アルツハイマー病の患者を対象に、 抗アミロイドβモノクローナル抗体solanezumabの有効性を第Ⅲ相試験で検討。 その結果、 solanezumabはプラセボと比較し、 認知機能の低下を抑制しなかった。 本研究はNEJM誌において発表された。 

📘原著論文

Trial of Solanezumab in Preclinical Alzheimer's Disease. N Engl J Med. 2023 Sep 21;389(12):1096-1107.PMID: 37458272

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

Lecanemabの臨床試験結果とその後の承認の流れでマーケットが過剰な反応をしています。 本研究成果を含めて、 アルツハイマー病に対する治療薬の臨床試験結果はアカデミアの側面だけではなく、 マーケットの側面から今後も注目されます。

🔢関連コンテンツ

CDR / CDR-SB / CDR-GS MMSE

認知機能の評価法

背景

アルツハイマー病の各段階におけるさまざまな形態のアミロイドを標的とするモノクローナル抗体の試験が行われているが、 必ずしも一致する結果とはなっていない。

研究デザイン

対象

clinical dementia rating (CDR) のスコアが0で、 mini-mental state examination (MMSE) のスコアが 25 以上、かつ ¹⁸F-フロルベタピルPETで脳内のアミロイド量が増加していた65~85歳の前臨床期のアルツハイマー病患者

介入

患者を以下の群に1:1の割合で割り付けた

  • solanezumab 群:578例
solanezumab1,600mgを4週ごとに投与
  • プラセボ群:591例

主要評価項目

240週における前臨床期アルツハイマー病認知機能複合評価指標 (preclinical alzheimer cognitive composite:PACC) スコアの変化量

研究結果

主要評価項目

240週時点のPACCスコア変化

  • solanezumab群:-1.43
  • プラセボ群:-1.13
差 -0.30、 95%CI -0.82-0.22、 P=0.26

脳PET上のアミロイド量の増加

  • solanezumab群:11.6センチロイド
  • プラセボ群:19.3センチロイド

浮腫を伴うアミロイド関連画像異常 (ARIA) の発生率

各群とも1%未満であった。

微小出血またはヘモジデリン沈着を伴うARIAの発生率

  • solanezumab群:29.2%
  • プラセボ群:32.8%

結論

前臨床期のアルツハイマー病患者において、 solanezumabは、 240週間の投与期間中、 プラセボと比較して認知機能の低下を抑制しなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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