【Lancet Oncol】再発・難治性B細胞悪性腫瘍へのザンデリシブ投与は間欠投与が安全と確認
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海外ジャーナルクラブ

2年前

【Lancet Oncol】再発・難治性B細胞悪性腫瘍へのザンデリシブ投与は間欠投与が安全と確認

【Lancet Oncol】再発・難治性B細胞悪性腫瘍へのザンデリシブ投与は間欠投与が安全と確認
Pagel らは, 再発・難治性のB細胞悪性腫瘍患者を対象に, PI3Kδ阻害剤ザンデリシブ単独, またはリツキシマブとの併用療法の連日投与, 間欠投与の安全性を第Ⅰb相臨床試験にて検討. その結果, ザンデリシブ60mgの1日1回間欠投与は, グレード3以上の有害事象の発生頻度が低く安全に投与できることが明らかとなった. 本研究は, Lancet Oncol誌において発表された.

背景

PI3Kδ阻害剤は, B細胞性悪性腫瘍に有効である. また, 免疫関連の有害事象は, 間欠投与により軽減される可能性がある.

研究デザイン

  • 対象:PI3Kδ阻害剤の前治療を受けておらず, 少なくとも1種類の治療歴がある再発・難治性のB細胞性悪性腫瘍で, ECOG PS 0-2の18歳以上の患者
(用量漸増時には濾胞性リンパ腫または慢性リンパ性白血病に限定)
  • ザンデリシブ60mg単剤投与: 56名
  • ザンデリシブ+リツキシマブ併用群:41名
(リツキシマブは375mg/m²を第1サイクルの1, 8, 15, 22日目と第3~6サイクルの1日目に静脈内投与)
  • 投与方法
  • 連続投与:38名
(1サイクル28日の連日投与)
  • 間欠投与:59名
(1~2サイクルの1~28日目とその後のサイクルの1~7日目)
  • 用量漸増試験では, ザンデリシブを1日1回経口投与された (60mg, 120mg, 180mg) .
  • 主要評価項目は, 安全性 (用量制限毒性および最大耐量) , 最小生物学的有効量, および各用量レベルの活性を評価する複合エンドポイントとし, intention to treatで解析した.

研究結果

  • 用量制限毒性は確認されず, 最大耐容量は決定されなかった.
  • 抗腫瘍活性は各用量で同程度であった (客観的奏効率は以下の通り) .
  • 60mg・120mg:12名中11名
(92%, 95%CI 61.5-99.8)
  • 180mg:6名中5名
(83%, 95%CI 35.9-99.6)
  • 間欠投与群では59例中26例 (44%) , 継続投与群では38例中29例 (76%) にグレード3~4の有害事象が認められた.
  • 好中球数減少:間欠投与群:59例中10例 (17%) , 継続投与群:38例中4例 (11%)
  • 下痢:間欠投与群:59例中3例 (5%) , 継続投与群:38例中8例 (21%)
  • 肺炎:間欠投与群:59例中1例 (2%) , 継続投与群:38例中6例 (16%)
  • ALT増加:間欠投与群:59例中3例 (5%) , 継続投与群:38例中2例 (5%)
  • 大腸炎:間欠投与群:59例中2例 (3%) , 継続投与群:38例中1例 (3%)
  • 治療関連の重篤な有害事象は, 継続投与群で8例 (21%) , 間欠投与群で5例 (8%) に発現した. また, 治療に関連した死亡はなかった.

結果の解釈

ザンデリシブ 60 mg 1日1回間欠投与は, グレード3以上の有害事象の発生頻度が低く安全であり, 現在進行中の国際共同第Ⅱ相および第Ⅲ相試験を正当化するものであった.

原著

Pagel JM, et al, Zandelisib with continuous or intermittent dosing as monotherapy or in combination with rituximab in patients with relapsed or refractory B-cell malignancy: a multicentre, first-in-patient, dose-escalation and dose-expansion, phase 1b trial. Lancet Oncol. 2022 Aug;23(8):1021-1030.PMID: 35835137

👨‍⚕️ HOKUTO監修医コメント
本研究成果は, 現在グローバルで実施中のザンデリシブ単剤またはリツキシマブとの併用療法を評価する第Ⅱ相TIDAL試験および第Ⅲ相COASTAL試験を後押しするものとなりそうです. ザンデリシブの試験自体はIb,II,III相試験が行なわれていることからその効果が期待されます. 
こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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