海外ジャーナルクラブ
16日前

Visserらは、 先進医療失敗後の活動性潰瘍性大腸炎 (UC) 患者を対象に、 腹腔鏡下虫垂切除術の有効性について、 JAK阻害薬との比較により多施設共同前向きコホート研究COSTAで比較評価した。 その結果、 虫垂切除術 (先進医療も継続) はJAK阻害薬への切り替えと比べて12ヵ月時の臨床的寛解率が有意に高く、 潜在的な有効性が示唆された。 本研究はLancet Gastroenterol Hepatol誌において発表された。
「These findings could contribute to future guideline recommendations for the management of biologic-refractory ulcerative colitis」 と未来に期待する記載となっています。
治療抵抗性のUCにおいて、 虫垂切除術の潜在的な有益性が後ろ向き研究や限定的な前向き観察研究で示唆されているものの、 生物学的製剤の治療歴を有する活動性UC患者において、 先進医療と比較した虫垂切除術の有効性は前向きに評価されていない。
そこで本研究では、 活動期における腹腔鏡下虫垂切除術とJAK阻害薬の有効性を比較評価した。
オランダの5施設で実施された患者選択型介入コホート研究において、 先行する先進医療 (低分子薬または生物学的製剤) への曝露にも関わらず疾患活動性が持続するUC患者*116例が治療選択により以下の2群に分けられた。
結腸切除術を選択した患者は解析対象に含めなかった。
主要評価項目は、 治療失敗 (経口コルチコステロイドの開始または再開、 他の先進医療への切り替え、 臨床試験における実験的治療の開始、 または結腸切除術の実施) のない12ヵ月時の臨床的寛解 (Mayoスコア≤2かつ各サブスコア≤1) 率であった。 χ²検定で解析し、 ベースラインの交絡因子を調整したロジスティック回帰分析を追加で実施した。
治療失敗のない12ヵ月時の臨床的寛解率は、 虫垂切除群が32.8%、 JAK阻害薬群が12.2%であった (未調整差 20.6%㌽ [95%CI 6.1-35.1%㌽]、 p=0.010、 調整後差 22.9%㌽ [95%CI 6.1-39.8%㌽]、 p=0.016)。
治療失敗のない12ヵ月時のステロイドフリー寛解率は、 虫垂切除群が32.8%、 JAK阻害薬群が12.2%であった (差 20.6%㌽ [95%CI 6.1-35.1%㌽]、 p=0.010)。
臨床反応率は虫垂切除群の73.1%、 JAK阻害薬群の53.1%に認められ (差 20.1%㌽ [95%CI 2.5-37.6%㌽]、 p=0.025)、 内視鏡的反応率は虫垂切除群が48.4%、 JAK阻害薬群が25.6%であった (差 22.9%㌽ [95%CI 5.0-40.7%㌽]、 p=0.018)。
症状寛解までの期間 (HR 1.06 [95%CI 0.62-1.82]、 p=0.82)、 治療失敗率 (虫垂切除群 58.2% vs JAK阻害薬群 57.1%、 差 1.1%㌽ [95%CI -17.1-19.3%㌽]、 p=0.91)、 結腸切除率 (9.0% vs 8.2%、 差 0.8%㌽ [95%CI -9.5--11.1%㌽]、 p=1.0) は両群で同程度であった。
有害事象は虫垂切除群の56.5%、 JAK阻害薬群の60.0%で認められた (差 3.5%㌽ [95%CI -21.4--14.4%㌽]、 p=0.70)。 虫垂切除関連の合併症は4.3%で発生したが、 いずれもClavien-Dindo分類II度以下であった。
著者らは 「生物学的製剤の治療歴を有する活動性UC患者において、 先進医療の補助として実施される虫垂切除術は、 JAK阻害薬への切り替えと比べて12ヵ月時の臨床的寛解率が有意に高く、 潜在的な有効性が示唆された。 また、 管理可能な安全プロファイルが示された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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