海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前
薬剤性過敏症症候群 (DRESS) を対象として、 診断基準、 重症度評価、 管理についての国際的専門コンセンサスが世界で初めて策定された。 本報告はJAMA Dermatol誌に発表された。
DRESS は、 発現頻度は低いものの致死的になり得る可能性もある「重症薬疹」の1つである。 しかし、 その重症度評価と治療に関する国際的なコンセンサスは得られていなかった。
DRESS専門家57人に参加を呼び掛け、 うち54人が2022年7~9月に実施された調査に参加した。 Delphi変法を用いて、 診断基準、 重症度評価、 治療管理など100項目の評価・検討を行った*。
診断確定の全患者にコルチコステロイドを投与し、原因薬剤を中止し、 重症度に基づき対応する
DRESSの重症度 (軽症、 中等度、 重症) は、 肝臓、 腎臓、 血液障害の程度に基づくべきである
▼軽症DRESS患者の治療
高力価の局所ステロイドを開始する
(6週間から3ヵ月かけて漸減する)
▼中等症DRESS患者の治療
高力価の局所ステロイドに加え、 6週間から3ヵ月の期間にわたって段階的に投与される全身性グルココルチコイドを使用する場合がある
▼重症DRESS患者の治療
グルココルチコイドの全身投与を開始する
(3ヵ月から6ヵ月かけて漸減する)
▼コルチコステロイド不応性DRESS患者
シクロスポリン、 IL-5を標的とする抗体、 静脈内免疫グロブリン製剤などを使用する場合がある
▼血清CMV量が高い患者
ガンシクロビルやバルガンシクロビルなどの抗ウイルス薬の投与が開始される場合がある
希少疾患の診断、 重症度、 管理のコンセンサスを 「いかにアカデミアとしてまとめ上げるか」 はどの領域においても大きなテーマです。
Delphi変法と呼ばれる分析手法は、一定の基準が設けらているので、 基準通りに進めて最終的にコンセンサスを得ることが可能となります。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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