海外ジャーナルクラブ
2年前
Craigらは、 I型またはII型遺伝性血管性浮腫患者を対象に、 活性化第XII因子 (FXIIa) を阻害するモノクローナル抗体garadacimab (CSL312) 月1回皮下投与の有効性と安全性を多施設共同二重盲検プラセボ対照第Ⅲ相ランダム化比較試験VANGUARDで検討 。 その結果、 garadacimabの月1回皮下投与は、 プラセボと比較して12歳以上の患者における遺伝性血管性浮腫の発作を有意に減少させた。 本研究はLancet誌において発表された。
タイトルに、 ”global”とついています。 この言葉は今後の国際的なRCTの枕詞として使われていく予感がします。
遺伝性血管性浮腫は、 カリクレイン・キニン系の調節障害に関連する希ではあるが生命を脅かす可能性のある遺伝病である。 FXIIaを阻害する新規の完全ヒト型モノクローナル抗体であるgaradacimab (CSL312) は、 遺伝性血管性浮腫発作の予防を目的として研究が行われている。
I型またはII型遺伝性血管性浮腫の12歳以上患者
患者は、 以下の群に3;2の割合でランダムに割り付けられた。
治療期間中 (1~182日目まで) に治験責任医師が評価した月間の遺伝性血管性浮腫発作回数
治療期間中に確認された遺伝性血管性浮腫の平均発作数は、 garadacimab群の方がプラセボ群より有意に低かった (P<0.0001)。
最も多かった治療起因性の有害事象は、 上気道感染症、 鼻咽頭炎、 頭痛であった。
FXIIa阻害は、 出血や血栓塞栓イベントのリスク増加とは関連していなかった。
Garadacimabの月1回皮下投与は、 プラセボと比較して12歳以上の患者における遺伝性血管性浮腫の発作を有意に減少させ、 好ましい安全性を有していた。 今回の結果は、 青年および成人における遺伝性血管性浮腫の治療のための予防的療法としてのgaradacimab の使用を支持するものである。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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