HOKUTO編集部
7日前
日本ヘリコバクター学会は、 10月28日に『H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2024改訂版』(以下、 2024年改訂版) を発刊した。 2016年以来 8年ぶりの改訂で、 初めて日本医療機能評価機構のEBM普及推進事業 (Minds) のマニュアルに則って作成されたガイドラインとなった。 注目点は下記の通りである。
2024年改訂版では 「治療」 に関する項目の冒頭に、 治療に関するフローチャートが掲載され、 1~3次の除菌治療、 特殊な除菌治療の流れがより明確となった。
また、 従来の標準的な1次除菌はPPIまたはP-CABにβ-ラクタム系抗菌薬アモキシシリン (AMPC)、 14員環マクロライド系抗菌薬クラリスロマイシン (CAM) を加えた3剤併用療法が基本だったが、 本邦では他国に先駆けてP-CABが承認されたこと、 PPIベースの3剤併用療法に比してP-CABベースの3剤併用療法の除菌率が高いことを踏まえ、 2024年改訂版では、 P-CABであるボノプラザン (VPZ 商品名:タケキャブ®) を軸にした3剤併用療法の使用が推奨された。
2024年版に示された1次除菌治療
抗体測定法以外の感染診断の実施について、 2016年版ではH. pyloriに静菌作用を有する薬剤の投与を少なくとも2週間は中止することとされていた。
2024年改訂版では、 バックグラウンド・クエスチョン (BQ) として、 プロトンポンプ阻害薬 (PPI)、 カリウムイオン競合型アシッドブロッカー (P-CAB) 使用時の感染診断・除菌判定について取り上げられ、 尿素呼気試験 (UBT)、 迅速ウレアーゼ試験 (RUT)、 血清ペプシノゲン (PG) 濃度についてはPPI、 P-CABを休薬する必要があるものの、 そのほかの診断法 (培養法、 鏡検法、 抗体法、 便中抗原測定法、 核酸増幅法) についてはPPIを内服したまま実施できるとされた。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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