インタビュー
10ヶ月前
能代厚生医療センター (秋田県能代市) では、 都会の病院とは一味違う研修ができるという。 一体どういう意味なのか。 臨床研修プログラム責任者の久保田均副院長と、 初期研修医 (2年次)の佐藤皓亮先生に聞いた。
能代厚生医療センターの医療圏は広範で、 秋田県北部から青森県南部まで4つの二次医療圏をカバーしている。 患者層や疾患に偏りがなく、 多様な症例を経験できるほか、 健診活動など、 地域保健医療にも注力している。
――研修の特徴は。
佐藤先生「この病院を研修先に選んだ大きな決め手は、 少人数制の研修スタイルにありました。 同期の研修医は私を含めて2人で、 それぞれ別の科で研修をしています。 基本的にマンツーマン指導なので、 大人数だと経験の機会が少ない症例や手技もたくさん経験できます」
久保田副院長「指導する側としても、 研修医一人一人に目が届きやすく、 それぞれの個性に合わせて指導することができます。 研修医の数が多いと全員の希望を叶えることが難しくなりがちですが、 当院は研修医の希望を叶えてあげやすい環境で、 プログラムも比較的自由に組むことができます。 やりたいことをどんどん経験したい人にはぴったりだと考えています」
久保田副院長「都会の病院のように救急車の搬入先が専門ごとに分かれているわけではありません。 基本的にはどんな症例でも受け入れるので、 研修医のうちから満遍なく症例を経験できるのも魅力の一つです」
佐藤先生「興味のある科が、 自分の肌に合っているかを研修中に見極められる良さがあります。 私は元々内科志望で、 特に消化器科に興味がありました。 ただ、 自分に内視鏡検査ができるかなど進路を決めるに当たり多くの不安もありました」
「当院は研修医が手技をする機会が豊富で、 実際に内視鏡検査を繰り返し経験できました。 上級医の先生によるマンツーマン指導の下、 実際に触って経験を積むに従って、 徐々に自信を持つことができました」
――指導体制については。
佐藤先生「研修中の科に限らず、 あらゆる科の先生の指導が受けることができる環境です。 どの先生も研修医の質問にすぐ応じてくれます」
「当直で自分が診た患者さんについて、 次の日にその分野の専門の先生に指導を受けることもよくあります。 科ごとの隔たりがなく、 病院全体で研修医を育てるという意識があると感じています」
――病院の雰囲気は。
久保田副院長「土地柄もあってか、 患者さんも研修医を1人の医師として見てくれるので、 その分、 研修医も責任感を持って仕事に取り組めていると思います。 医療スタッフとも全員顔見知りになれる規模なので、 チーム医療を実践して、 手技以外の部分でも学べることが多いです」
佐藤先生「経験値が高い看護師さんでも、 研修医を医師として尊重してくれていると実感しますし。 医師同士もお互い協力し合っており、 病院の雰囲気はすごく良いです」
――研修中の忙しさは。
佐藤先生「当直の次の日は原則休みで、 ゆとりを持って研修できています。 ランニング設備やプールがあるジムが病院の近くにあるほか、 温泉や飲み屋街もあるので、 意外にも日々のリフレッシュには困りません。 オフがしっかりとれるからこそ、 仕事の時は集中することができます」
ーー医学生へメッセージを。
佐藤先生「病院説明会はたくさんありますが、 やはり実際に見学に行かないと分からないことがあります。 同様に、 見学だけでは分からないところもあり、 研修が始まってからギャップを感じるかもしれません」
「しかし、 自分でじっくり考え尽くして決めた研修先であれば、 そのギャップも案外プラスに働くものです。 自分を信じて頑張ってください」
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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