海外ジャーナルクラブ
1年前
Quenbyらは、 2回以上の流産歴を有し、 遺伝性血栓症と診断された女性を対象に、 低分子ヘパリン (LMWH) の投与が妊娠転帰におよぼす影響を国際非盲検ランダム化比較試験ALIFE2で検討。 その結果、 LMWHは生着率の上昇をもたらさなかった。 本研究はLancet誌において発表された。
8年以上の経過を要した研究です。 Lancet誌側からはwe suggest that this is the definitive trial on this topic.とのコメントが出されて、 研究者に抗凝固療法以外の治療法にfocusするように求めています。
特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る。)の診断基準・重症度分類
抗凝固療法は、 不育症と遺伝性血栓症を有する女性における流産回数と有害な妊娠転帰を減らす可能性がある。
2回以上の流産を経験し、 遺伝性血栓症が確認され、 妊娠を希望、 または既に妊娠している18~42歳の女性
患者を以下の群に1:1の割合で無作為に割り付け
生児出産率
出血、 血小板減少、 皮膚反応など
LMWH群の72% (162例中116例)、 標準治療群の71% (158例中112例) が生着した。
LMWH群の24% (164例中39例)、 標準治療群の23% (162例中37例) において有害事象が報告された。
2回以上の流産を経験し、 遺伝性血栓症が確認された女性において、 LMWHは標準治療に比して生着率の上昇をもたらさなかった。 我々は、 不育症と遺伝性血栓症を有する女性にLMWHの使用を勧めず、 また、 不育症を有する女性に遺伝性血栓症のスクリーニングを行わないことを推奨する。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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