【JAMA Intern Med】敗血症、 伝統的漢方薬で28日死亡率が低下
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海外ジャーナルクラブ

10ヶ月前

【JAMA Intern Med】敗血症、 伝統的漢方薬で28日死亡率が低下

【JAMA Intern Med】敗血症、 伝統的漢方薬で28日死亡率が低下
Liuらは、 敗血症の患者を対象に、 中国の伝統的漢方薬である血必浄 (XBJ、 紅花・赤芍・川芎・丹参・当帰を配合) 注射液の効果を多施設共同二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験で検討。 その結果、 XBJの投与は、 プラセボと比較して敗血症患者の28日死亡率を低下させた。 本研究はJAMA Intern Med誌にて発表された。

📘原著論文

Effect of an Herbal-Based Injection on 28-Day Mortality in Patients With Sepsis: The EXIT-SEP Randomized Clinical Trial. JAMA Intern Med. 2023 May 1;e230780. PMID: 37126332

👨‍⚕️監修医師のコメント

SOFAスコアの平均値は7.1で両群同じなのですが、 2~13まで幅広い点が気になります。 サブグループ解析を見ますと、 SOFA8-13群ではなんとか有意差はあるものの、 APACHEII>25では全く差がなく、 臨床使用のイメージが湧きにくい薬剤と言えます。

🔢関連コンテンツ

SOFAスコア / qSOFA

敗血症、多臓器不全の評価

APACHE II スコア

集中治療室入室患者の重症度予測

背景

これまでの研究では、 XBJが敗血症患者の死亡率を低下させる可能性が示されている。

研究デザイン

対象

48時間以内に敗血症を発症し、 SOFA スコアが2~13の18~75歳の患者:1,817例

介入

  • XBJ 群:911例
XBJ (100mL) の12時間ごとの静脈内注入を5日間実施
  • プラセボ群:906例
容量を合わせた生理食塩水の12時間ごとの静脈内注入を5日間実施

主要評価項目

28日死亡率

研究結果

28日死亡率 (P<0.001)

  • XBJ群:18.8% (878例中165例)
  • プラセボ群:26.1% (882例中230例)
絶対リスク差 7.3%ポイント (95%CI 3.4-11.2)

有害事象発生率

  • XBJ群:22.9% (872例中200例)
  • プラセボ群:25.3% (878例中222例)

結論

敗血症患者を対象としたこのランダム化比較試験において、 XBJの投与は、 プラセボと比較して28日死亡率を低下させた。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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