海外ジャーナルクラブ
9ヶ月前

東京理科大学薬学部のHagiwara氏らの研究グループは、 スタチン使用とくも膜下出血 (SAH) リスクとの関連を症例対照研究により検討した。 その結果、 スタチン使用はSAHリスクの有意な低下と関連しており、 特に高血圧や脳血管疾患の既往歴を持つ患者において有用である可能性が示唆された。 試験結果はStroke誌に発表された。
本研究の限界は、 日本人のみを対象としており他人種への一般化が不明、 データが74歳以下に限定、 服薬アドヒアランスや未診断未破裂動脈瘤の情報が欠如、 保険請求に関連しない情報が含まれない可能性、 脂質異常症の影響を完全には調整できていない点です。
スタチンによるくも膜下出血 (SAH) の予防効果は、 動物実験モデルや一部の臨床試験で検討されてきたが、 結論は得られていない。 そこで、 スタチン使用とSAHリスクとの関連を調査する症例対照研究を実施した。
同研究では、2005年1月~21年8月の日本の健康保険レセプトデータベースを用いた。 症例は、 期間中にSAHと初めて診断され入院した患者とし、 年齢、 性別、 追跡期間を一致させた対照群を4人ずつ無作為に選定し、 発症前のスタチン使用とSAHリスクとの関連を評価した。 また、 高血圧、 糖尿病、 脳血管疾患、 未破裂脳動脈瘤の既往歴、 および降圧薬使用による影響も検討した。
SAH症例3,498例および対照群1万3,992例におけるスタチン使用率は、 それぞれ12.2%、 12.7%であった。
患者特性を調整した条件付きロジスティック回帰分析の結果、 スタチン使用はSAHリスクの有意な低下と関連していた (調整OR 0.81、 95%CI 0.69–0.95)。 なお、 この関連は、 高血圧または脳血管疾患の既往歴により、 有意な影響を受けた (相互作用のp=0.042および0.042)。
著者らは、 「スタチン使用はSAHリスクの有意な低下と関連しており、 特に高血圧や脳血管疾患の既往歴を持つ患者において有用である可能性が示唆された」 と報告している
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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