診療指針
2ヶ月前

欧州心臓病学会 (ESC) は、 心血管疾患合併妊娠の管理に関する2025年版の新ガイドラインを発表した。 本ガイドラインは2018年版の改訂版であり、 心血管疾患を有する妊娠中の患者に対する最適な診断および治療アプローチを推奨するものである。 本ガイドラインはEuropean Heart Journal誌において発表された。
Pregnancy Heart Team による心臓病患者の妊娠前から産後までの全期間を通じた管理を強く推奨し、 ケアの中心と位置づけた点が最も変わった点と言えます。
2025年ESC妊娠中の心血管疾患管理ガイドラインの変更点のひとつは、 Pregnancy Heart Team (PHT) による心臓病患者の妊娠前から産後までの全期間を通じた管理を強く推奨し、 ケアの中心と位置づけた点である。
mWHO II-III以上の患者に対し、 妊娠前から妊娠中、 産後までPHTによる評価・管理を強く推奨している。
母体心血管リスク分類mWHO 2.0が疾患カテゴリごとにIからIVに整理され、 心室機能、 肺高血圧、 心筋症、 先天性心疾患などにおける具体的な数値閾値が示された。
直接経口抗凝固薬 (DOAC) は妊娠中の使用が推奨されない (Class III C) と明記された。
低分子ヘパリン (LMWH) の予防量および治療量に関する具体的なレジメンと、 抗Xa活性の目標値 (0.8-1.2 U/mL) が示された。
肥大型心筋症 (HCM) において、 左室流出路閉塞 (LVOTO) が50 mmHg以上または左室駆出率 (EF) が50%未満の場合、 妊娠高リスクとしてPHTによる説明が推奨される。 ミオシン阻害薬は推奨されない (Class III C)。
マルファン症候群 (MFS) で大動脈基部径が45 mmを超える場合、 妊娠前の予防手術が推奨される (Class I C)。
子癇前症予防として、 アスピリン75-150 mg/日を12週から36/37週まで投与することが強く推奨される (Class I A)。
重症高血圧 (収縮期血圧160 mmHg以上または拡張期血圧110 mmHg以上) は救急対応とし、 入院治療が推奨される (Class I C)。
妊娠20週以上のCPRでは、 左子宮手動偏位が推奨される (Class I C)。 母体ROSCが4分で得られず胎児が生存可能であれば、 現場での緊急帝王切開が考慮される (Class IIa C)。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。