【JAMA】メロペネム持続投与、 重症敗血症の死亡や耐性菌発現を改善せず
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【JAMA】メロペネム持続投与、 重症敗血症の死亡や耐性菌発現を改善せず

【JAMA】メロペネム持続投与、 重症敗血症の死亡や耐性菌発現を改善せず
Montiらは、 重症の敗血症患者を対象に、 メロペネムの持続投与が間欠投与に比し、 死亡率や耐性菌の出現を減少させるかどうかを二重盲検無作為化臨床試験MERCYで検討。  その結果、 間欠投与と比較して、 持続投与は28日時点における全死因死亡および耐性菌出現という複合転帰を改善しなかった。  本研究は、 JAMA誌において発表された。  

📘原著論文

Continuous vs Intermittent Meropenem Administration in Critically Ill Patients With Sepsis: The MERCY Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023 Jun 16;e2310598. PMID: 37326473

👨‍⚕️監修医師のコメント

この研究の最大のlimitationは下記になります。

The median time from hospital admission to randomization was 9 days (IQR, 3-17 days) and the median duration of meropenem therapy was 11 days (IQR, 6-17 days).

つまり、 市中感染の重症敗血症に対する初期治療としての抗菌薬投与ではありません。

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背景

メロペネムは広く処方されているβ-ラクタム系抗生物質である。 メロペネムは、 最小発育阻止濃度 (MIC) 以上の薬物濃度を一定に保つために持続点滴で投与すると、 薬力学的に最大の効果を示す。 メロペネムの持続投与は、 間欠投与と比較して臨床転帰を改善する可能性がある。

研究デザイン

対象

敗血症または敗血症性ショックの重症患者

介入

患者を以下の群に無作為に割り付け、 同量のメロペネムを投与した。

  • 持続投与群:303例
  • 間欠投与群:304例

主要評価項目

28日目時点の全死因死亡および耐性菌 (PDR、 XDR) 出現の複合

副次評価項目

28日時点の抗菌薬投与なしでの生存日数、 28日時点の集中治療室からの退室、 90日時点の全死因死亡など

研究結果

主要評価項目のイベント発生

  • 持続投与群:47% (303例中142例)
  • 間欠投与群:49% (304例中149例)
RR 0.96 (95%CI 0.81-1.13、 P=0.60

副次評価項目

副次評価項目のうち、 統計的に有意なものはなかった。

90日時点の死亡率

  • 持続投与群:42% (303例中127例)
  • 間欠投与群:42% (304例中127例)

安全性評価

試験薬に関連した発作やアレルギー反応の有害事象は報告されなかった。

結論

敗血症の重症患者において、 メロペネムの持続投与は間欠投与と比較して、 28日時点における全死因死亡およびPDRまたはXDRの耐性菌出現という複合転帰を改善しなかった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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