海外ジャーナルクラブ
1年前
Feldmanらは、 40歳以上のCOPD患者を対象に、 フルチカゾン-サルメテロール配合剤のドライパウダー吸入器の先発品「アドエア ディスカス」と後発品「Wixela Inhub」の有効性と安全性をコホート研究で検討した。 その結果、 日常診療で治療を受けているCOPD患者において、 先発品と後発品の有効性と安全性はほぼ同等であった。 本研究はAnn Intern Med誌において発表された。
どの薬剤にも害と益がありますので、 安全性のアウトカムも効果と同様にしっかりとabstractに示してほしいものです。
米食品医薬局(FDA)は2019年にCOPD治療用の初のジェネリック維持吸入器として「Wixela Inhub」を承認した。 承認にあたり、 メーカーは喘息患者を対象とした無作為化比較試験を行う必要があったが、 COPD患者を対象とした試験は行わなかった。
日常診療で治療を受けている40歳超のCOPD患者4万5,369例 (アドエア ディスカス:2万7,305例、 Wixela Inhub :1万8,064例) から、 傾向スコアでマッチさせた先発品使用者と後発品使用者のペア1万12組が解析対象となった。
コホート登録後365日時の初回の中等度ないし重度COPD増悪および肺炎による入院の発生率
初回の中等度ないし重度COPD増悪 (HR 0.97, 95%CI 0.90-1.04) および初回の肺炎による入院 (HR 0.99, 95%CI 0.86-1.15) のリスクは、 先発品と後発品でほぼ同等であった。
実臨床を反映して追跡期間は短かった。 そのため残余交絡の可能性を完全に排除することはできない。
日常診療で治療を受けているCOPD患者において先発品と後発品は同様の転帰を示し、 両者の有効性と安全性はほぼ同等であることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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