海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前
Agustíらは、 中リスク子宮頸癌患者の術後療法として、 化学放射線療法 (CRT) および放射線療法 (RT) 単独の有用性をコホート研究で比較した。 その結果、 5年OS率は両群間で有意差が認められず、 化学療法を追加してもOSが改善しない可能性が示唆された。 研究結果はJAMA Oncol誌に発表された。
化学療法の詳細なレジメン情報が欠如していたため多剤併用療法や術前療法を除外していますが、 選択バイアスの可能性についてlimitationで記載されています。
中リスク子宮頸癌に対する至適な補助療法については依然として議論があり、 この集団でRTに化学療法を追加する便益は不明である。
そこで、 中リスク子宮頸癌患者の術後療法として、 CRTがRT単独と比べてOS率を改善するかどうかをコホート研究で評価した。 副次的目的は、 CRTの使用と関連臨床因子の特定とされた。
FIGO進行期分類IB期の子宮頸癌 (扁平上皮癌、 腺扁平上皮癌、 または腺癌) で中リスクに分類され、 広汎子宮全摘手術後に放射線療法を受けた米国の患者1,116例を対象に、 傾向スコアマッチング (1 : 1) を用いて以下の2群間のベースライン特性を均衡させ、 カプラン・マイヤー分析および比例ハザードモデルによりOS、 死亡リスクを比較検証した。
対象患者1,116例のうち486例が術後にCRTを受けた。
腺癌または腺扁平上皮癌患者では、 扁平上皮癌患者 (リスク比 [RR] 1.26 [95%CI 1.10-1.44] ) や腫瘍径が4cmを超える患者 (vs 腫瘍径2-4cm RR 1.31 [95%CI 1.14-1.51] ) と比べて化学療法が多く実施されていた。
5年OS率は、 CRT群が87%、 RT群も87%と両群間で差は認められず、 ほぼ同じであった (HR 0.85 [95%CI 0.59-1.23]、 p=0.38)。
また、 腫瘍サイズ、 組織型、 リンパ管浸潤の有無、 手術アプローチ、 または術後小線源療法 (ブラキセラピー) 実施の有無別のサブグループ解析でも、 両群間に有意差が認められなかった。
著者らは 「中リスク子宮頸癌の術後療法では、 RTに化学療法を追加してもOS率が改善しない可能性が示唆された」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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