海外ジャーナルクラブ
3ヶ月前

Marcらは、 TDF/3TC/DTG療法による長期的なウイルス学的および薬剤耐性の転帰を評価した。 その結果、 事前の抗レトロウイルス療法でウイルス抑制 (HIV-1 RNA ≤1000コピー/mL) が得られていた参加者では、 TDF/3TC/DTG療法への切替6ヵ月時点および24ヵ月時点で90%超のウイルス抑制を示した。 6ヵ月時点でウイルス抑制が得られなかった参加者ではテノホビル二リン酸濃度が低く、 服薬遵守状況が転帰不良の主因であることが示唆された。 試験結果はLancet HIV誌に発表された。
切り替え前にウイルス血症がある患者では成績が不良で、 服薬遵守が課題となります。 アドヒアランス改善に向け、 今後、 長時間作用型ARTなどの新たな治療戦略が求められます。
テノホビルジソプロキシルフマル酸+ラミブジン+ドルテグラビル併用療法 (TDF/3TC/DTG) は、 米国大統領エイズ救済緊急計画 (PEPFAR) の支援プログラムにおいてHIV感染者に広く処方されている。 本Advancing Clinical Therapeutics Globally (ACTG) A5381-Hakim Studyでは、 TDF/3TC/DTG療法の開始または切替えによる長期的なウイルス学的および薬剤耐性の転帰を評価した。
本研究は、 PEPFAR支援13施設にてTDF/3TC/DTG療法を開始または切替えた10歳以上の参加者を対象とした前向きコホート研究である。 対象は、 抗レトロウイルス療法 (ART) の有無別に以下の3グループに分類された。
グループ1/2はさらに、 切り替え前のHIVウイルス量で分類された。
評価項目は、 ウイルス抑制 (HIV-1 RNA ≤1000コピー/mL)、 ドルテグラビル耐性変異の出現、 有害事象であり、 最大36ヵ月まで評価した。 テノホビル二リン酸濃度に基づく服薬遵守は、 ネストした症例対照研究で評価した。
1237例 (グループ1A : 44例、 グループ1B : 425例、 グループ2A : 173例、 グループ2B : 416例、 グループ3 : 179例) が解析対象となった。 有害事象によりTDF/3TC/DTG療法を中止した参加者は12例 (1%) であった。
HIV-1 RNAが1000コピー/mL以下でウイルス抑制が認められた割合は以下の通りで、 グループ1B、 2Bで90%超の抑制を示した。
6ヵ月時点、 24ヵ月時点のウイルス抑制割合
ドルテグラビル耐性変異は、 グループ2Aの3例でのみ検出された。
6ヵ月時点で解析した87組の症例対照ペアにおいて、 HIV-1 RNAが1000コピー/mL超の参加者は、 1,000コピー/mL以下の参加者に比べてテノホビル二リン酸濃度が低かった (p<0.0001)。
著者らは、 「切替え前にウイルス抑制が得られていた個人にて、 本治療でより高いウイルス抑制率が認められたことは、 国際的な治療ガイドラインの指針を支持するものである。 耐性変異およびテノホビル二リン酸濃度に関する所見は、 転帰不良の主因が服薬遵守不十分であったことを示唆する」 と報告している。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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